はじめに
現代中国の結婚式は、地域によりさまざまである(1)。また、農村と都会でもそのやり方は全く異なる(2)。しかし、いずれにせよ、結婚式、特に二次会において、子供を生むよう促すゲームが行われているという現象には変わりはない。
近来、これらのゲームについては、下品な民俗文化は正すべきであるとの指摘があり(3)、新たに健全な結婚式の提唱もなされている(4)。しかしながら、このような封建迷信・陋習は、正されるどころかますます広まる勢いである。
いったい、なぜ中国人はこのようなゲームに夢中になるのであろう。それらは、単なる封建迷信・陋習と片付けてよいのであろうか(5)。封建迷信・陋習と言われながら、人々が今尚それらのゲームに固執する裏に、果たしてどのような意識や観念が潜んでいるのだろうか。また、それは、現代中国においてどのような意味を持つのであろうか。
一方、日本における結婚式、特に二次会でのゲームは、賑やかさに関しては中国と大差がない,その内容となると中国とはかなり異なっている。子供を生き直接的に促すゲームは、日本ではほとんど見られないといってよい。また、終始新郎・新婦を的にゲームをする中国とは異なり、日本には新郎・新婦の友人を含め皆が親睦を図るためのゲームなどもみられる。しかし、日本結婚式の中、仏前式における仏像の前で二人の結婚を誓約しながら先祖に結婚を報告する。その後新郎・新婦が香を焚き、念珠を交換する。儀式が埶行なわれる。
本稿では中国の様々な地域を含む結婚式を調査したものである。また、日本における結婚式の比較、考察を通し、「孝」資料を参照にして、中日における結婚式中、「孝」の理念について比較的に研究していきたいのである。