要旨:谷崎潤一郎は日本現代文学の大文豪であり、「大谷崎」とも呼ばれる。初期においては悪魔主義の作家と言われ、中期においては思想のないエキゾチシズムの作家と言われ、昭和に入ってからは、日本美の伝統を継承して大成した作家と言われている。日本の文学界で、谷崎潤一郎氏に関する研究も今になっても続んでいる。永井荷風が論及する「肉体の恐怖」を皮切りに、伊藤整も「肉体の思想」を述べる。ついに千葉俊二が「本能的に欲望」を提示する。その流れは、「谷崎学」を形成する趨勢がある。
金庸は、華人界における最名高い侠客作家であり、作品が大歓迎され、評論も大勢にある。「金学」を研究するブームが広がる。
谷崎潤一郎と金庸は、文学界の鍵を握る重要人物であり、日中文学に深い影響を与える。谷崎潤一郎は、日本伝統古典文化の栄養分を吸い上げることによって、『春琴抄』を代表作としての古典文学創作の黄金期を迎える。女性肉体美、官能美を崇拝する。つまり西洋崇拝より、日本伝統的な女性への精神的な跪拝、日本古典陰翳美意識への回帰という創作動機を中心として、『春琴抄』が独特的な文学魅力を輝いている。金庸の『天龍八部』は、哲学、人間性、プロット、伝統美および義侠を備えて、金庸氏の最高の大著である。
本論文は、『春琴抄』と『天龍八部』から見た女性崇拝について比較し、中日の文化における美意識の違いを分析する。
キーワード:女性崇拝 人物 中日の美意識
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに.1
1.1 先行研究
1.2女性崇拝の定義
2.『春琴抄』における女性崇拝に対する分析 2
2.1『春琴抄』の春琴の人物像
2.2佐助と春琴の主従関係
2.3女性崇拝の表現
3.『天龍八部』における女性崇拝に対する分析.4
3.1阿紫の人物像
3.2 遊坦之と阿紫の病的な恋
3.3女性崇拝の表現
4.『春琴抄』と『天龍八部』から見た女性崇拝の美意識の差異. 5
4.1『春琴抄』の女性崇拝の本質
4.2『天龍八部』の女性崇拝の本質
4.3結局の分析
5.結論8
参考文献10
謝辞11