要旨
1180箇所393詞もの擬音語・擬態語が使用されている立間祥介訳の『駱駝のシャンツ』。それだけで、原著のあらすじや人物像、更にはこもった感情まで忠実に訳されている。この訳本の擬音語・擬態語の使用実態を明らかにし、中国人翻訳者の擬音語・擬態語活用に役立ちたい考えで、本論文では、その訳本の擬音語・擬態語全1180箇所393詞を抽出し、分類してから分析を行った。結論は三点にある。まず、訳者が手際よく多様の擬音語を使用している一方、ことに愛用する傾向が見られない。また、ことに愛用する擬態語があり、つまり擬態語遣いには格差が見られる。最後、訳者が原著にこだわらず巧みに翻訳を行ったことも分かった。
キーワード:立間祥介訳の『駱駝のシャンツ』; 擬音語・擬態語; 使用実態
目次
要旨
中文摘要
1. はじめに-1
1.1 擬音語・擬態語の定義-1
1.2 原著と訳本の選考基準-1
1.3 表示の説明-2
2. 先行研究と問題点-3
2.1 擬音語・擬態語についての先行研究-3
2.2 『駱駝のシャンツ』についての先行研究-4
2.3 未決課題と問題点-5
3. 訳文における擬音語・擬態語の使用実態-6
3.1 擬音語の使用実態-6
3.1.1 量的統計-6
3.1.2 特殊用法-7
3.1.3 造語-7
3.2 擬態語の使用実態-9
3.2.1 擬態語のなかの「例外」用法-9
3.2.2 「例外」と「通常」用法の実態比較-10
3.2.3 擬態語遣いの格差-12
3.3 その他の実態-13
4. 終わりに-15
4.1 使用実態のまとめ-15
4.2 訳本から得た示唆-15
4.3 今後の課題-15
参考文献-17
謝 辞-19