要旨:色彩はこの客観的な世界から生まれて、人の目によって捉えられるというものである。自然の美は視覚の面で主な表現が色彩の美である。色彩が人々の目を美化する一方で、人々の心の世界も美化する。そして、日本人の美意識の形成にも役立っている。独特な地形と位置なので、日本人は昔から自然に神聖な感情と親切な気持ちをずっと持っている。彼らの美意識はたいてい自然に対しての鋭い観察と深刻な感想から生まれただろう。人々は多彩な自然と天象を観察するときに、心から湧き出したきめ細かい感情を文学作品に表す。和歌はこれらの文学作品の一部である。日本の和歌の中で、歌人は目で捉えた色彩を柔軟に活かして、独特なイメージを与えて、和歌の内容を美しく描くことも、感情を伝えることもできる。長い時間がたつと、これらの色彩があるイメージの代表になって、さまざまな美意識を含んできているだろう。
雄渾で素朴的な『万葉集』、優美な『古今和歌集』、ロマンチックな『新古今和歌集』から数え切れなくて、スタイルが異なる現代短歌まで、多彩な和歌の世界になってきた。『小倉百人一首』は年代を追って、日本の六、七百年間において貴族王朝の中ですぐれた百人の一首を取り上げて集めたアンソロジーとして世の中で伝わってきた和歌集で、数百年以来、世人に読まれていて、日本人の美意識を豊富にならせている。本論文は『小倉百人一首』を中心として、和歌における出現の回数がもっとも多い色彩をあげて、これら含んだ独特なイメージを分析して日本人の美意識を窺うことにする。
キーウード:色彩 和歌 白 赤 美意識
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1、和歌における色彩の役割-1
1、1景色の描写-2
1、2感情の伝達-3
2、色彩と『小倉百人一首』-3
2、1白について-3
2、1、1衣の白-3
2、1、2自然現象の白-4
2、1、3花の白-6
2、2赤について-6
2、2、1葉の赤-6
2、2、2火の赤-8
3、色彩と日本人の美意識-8
3、1白と日本人の美意識-8
3、1、1高潔な美-8
3、1、2清々しい美-8
3、1、3儚さと憂愁の美-9
3、2赤と日本人の美意識-9
3、2、1鮮やかな美-9
3、2、2哀れの美-9
3、2、3壮烈な美-10
おわりに-10
参考文献-12
謝辞-13