要旨:アニメのブームに伴って、声優という仕事を知る人が増えている。
1925年に、NHKの前身であった社団法人東京放送局のラジオ放送のため、公募された声だけで演技を行う専門の俳優は日本の声優の歴史の始まりとして見なされている。1941年、NHKはラジオドラマ専門の俳優を養成する研究生を公募しはじめた。これをきっかけに、「声優」という言葉が使われるようになった。声優に、五つの出身がある。すなわち放送劇団出身、養成所・専門学校、舞台役者出身、子役出身およびその他の出身である。
今現在、アニメ産業の発展とともに、声優という産業文化にもいろいろな変化が起こる。アフレコの時、性別と関係なくの出演や、一人多役への転換や、言語種類の増加などといった変化が見られる。性別と関係なくの出演とは、女性声優が男性キャラクターを演じて、男性声優が女性キャラクターを演じるということを指している。一人多役への転換とは、一つの作品中、声優さんが違うキャラクターによって違う声で演じるということである。言語種類の増加はキャラクターが日本語だけではなく、多種類の言語で演じる変化である。本稿は『黒執事』を以てその三種類の変化を検討し、声優文化の発展を見出そうとする。
さらに、声優アイドル化という現象について、アイドル声優の代表人物を紹介し、70年代の時シリーズアニメ『宇宙戦艦ヤマト』の成功による神谷明、古谷徹、古川登志夫などアニメで美男子キャラを演じる声優たちがユニットバンドーー『スラップスティック』を結成したことを例にして論じていくことになる。人気アイドルアニメも紹介し、アイドルアニメブームの理由をも考える。アイドル声優とアイドルアニメが相互的に助長して、声優業のアイドル化を促進するという結果が見込まれている。
キーワード:声優 形成 出身 アフレコの発展 アイドル化
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1. 声優について-1
1.1 声優の出現-1
1.2 声優の出身-3
2. 『黒執事』に見る声優の展開-4
2.1性別と関係なき出演-4
2.2 一人多役への転換-5
2.3 言語種類の増加-6
3. 声優のアイドル化-7
4.アイドルアニメのブームの到来-8
おわりに-9
参考文献-10
謝 辞-11