要旨:周知のとおり、日本人は強い帰属意識を持っている。仲間はずれにされることを恐れる。だから、強く自分を主張することよりも、集団に同調することを重視する。常に、自分がいるところを「うち」と呼ばれる。例えば、自己紹介の時に、「家の会社」、「家の学校」と言う。これは集団主義の顕著な特徴である。集団主義はたくさんの作品の中に現れる。本稿は優れた作家安部公房の『砂の女』における集団主義を研究する。
『砂の女』の主人公の男は昆虫採集のために訪れた砂丘で、土地の人々に欺かれ、重要な労動力とする砂の穴に閉じ込められた。安部は主人公仁木順平の性格と行為を書き通って、主人公の微妙な心理変化を深く分析する。主人公は個人主義を追求しているが、最後に集団主義を屈服せざるを得ない。その上、砂の穴の女と村民の行為を書き通って、日本のような集団意識が強い国に個人主義は集団主義へ妥協する。同時に、砂のくぼみの中の女と村民などの傍観者の態度と行為を描写して、このような集団意識の強烈な国家の中に、必ず集団を頼りにして生存しなければならない。
本論は四つの部分からなっている。まずは『砂の女』の中のあらすじと「愛郷精神」の提出を紹介する。次に「愛郷精神」具体表現を書き、人物の集団意識を深く分析する。次は「愛郷精神」、個人主義集団主義の関係を論述する。最後、集団主義の大きな影響を詳しく討論する。
キーワード:「愛郷精神」、集団主義、個人主義、自由
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1.『砂の女』のあらすじと「愛郷精神」の提出-1
1・1『砂の女』のあらすじ-1
1・2「愛郷精神」の提出-2
2.『砂の女』における「愛郷精神」の具現-2
2・1 村民の「愛郷精神」-3
2・2 女の「愛郷精神」-3
2・3 男の「愛郷精神」-4
3.「愛郷精神」と集団主義と個人主義-5
3・1「愛郷精神」と集団主義の関係-5
3・2 個人主義と集団主義の関係-6
4.日本社会への集団主義の影響-7
4・1 日本社会への積極的な影響-7
4・2 日本社会への消極的な影響-8
おわりに-9
参考文献-11
謝 辞-12