要旨:川端康成は日本文学界の権威者と称される。日本では、太宰治と三島由紀夫と共に戦後文学の頂点に立つ人物である。『伊豆の踊子』は、川端の早期の代表作品であり、彼の一生において、もっとも重要な作品のひとつである。この代表的な作品で、彼の文学基調及び文学道路の行方が明らかになった。そのため、この作品は特別な研究意義がある。本稿では『伊豆の踊子』を中心に、川端文学における幽玄を検討する。川端康成の自分の経歴から 、幽玄の根源を分析する。
本論文は三つの部分から構成される。まず、『伊豆の踊子』の粗筋、幽玄の意味を紹介する。次いで、『伊豆の踊子』中の幽玄をめぐって、人物描写、環境描写、結局設定の三つの方面から味わう。更に、川端文学における幽玄の根源を分析する。
本論の研究を通じて、次のようなことが分かるようになった。『伊豆の踊子』は主に「私」と踊子の朦朧な愛情をめぐって書かれた。「幽玄」は神秘、余情、幽絶三つの要素を含め、朦朧、深遠などの意味もある、一つの純粋な精神主義の審美意識だと言える。それから、「私」の心理描写と踊子の動作描写、「雨」というイメージおよびほかの景物描写、最終踊子と別れたという欠陥の結局を通じて具体的に幽玄を了解した。最後、川端文学の中で幽玄の根源は、戦時の影響を受けたため、川端康成はひたすら日本古典文学の中で沒頭し、戦後、川端は日本の伝統美学への追求が高騰したことである。そして、彼は仏教禪宗の影響を深く受けた。審美意識上、彼は仏教の幽玄理念を重視していた。
キーワード:川端康成 伊豆の踊子 幽玄 伝統美学 仏教思想
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
第一章 『伊豆の踊子』と幽玄について-2
1.1『伊豆の踊子』の粗筋-2
1.2幽玄とは-2
第二章 『伊豆の踊子』から味わた幽玄-3
2.1人物描写から見た幽玄-3
2.2環境描写から見た幽玄-5
2.3結局設定から見た幽玄-6
第三章 川端文学における幽玄の根源-6
3.1伝統美学の継承-6
3.2仏教思想の影響-7
終わりに-7
参考文献-9
謝 辞-10