要旨：平安中期は、政治上・社会上、貴族男性を中心であり、女性の地位が低かった。こうした男尊女卑社会の中で、受領階級出身の紫式部は、貴族階級の光源氏という男性を主人公として「源氏物語」を書いた。この物語の中で、光源氏は様々な階級の女性達と恋愛するが、その結果、これらの女性達はほとんどが不幸な結末を迎えている。これは悲しいことだと言える。しかし、同時に、人間として、愛情を獲得するということは幸せでもある。相手が自分だけを愛さないにもかかわらず、一途に想いつづけることの中には一種の「美」を見ることができるであろう。
本稿では、男尊女卑社会において、作者が女性として、数多くの女性たちの恋を描き続けたその目的はなんであろうか、また、作者が表そうとした心情はなんであろうかということについて論じたい。また、女性の低い地位を批判的に論じながらも、彼女達が愛情のために自分の一生を捧げることに人間の「人性美」を見、当時の社会気風を反映する結論を得られる。
キーワード：男尊女卑；一夫多妻;人性美;貴族階級；愛情
摘要：平安时代是一个政治上以贵族男性为中心的人与人之间争权夺势、互相倾轧;社会生活中男尊女卑，女性地位低下的时期。在这样的社会形势下，紫式部作为女性，著下了以光源氏这位贵族男性为主人公的长篇小说《源氏物语》。在小说当中，描述了光源氏与许多不同地位的女性恋爱的故事，这些女性大多的命运或死，或削发为尼，这样的人生结局算是悲哀的吧。但是，作为人来说，能够拥有爱情，也算是美的人生吧，即便对方不是全心全意的爱着自己。
在本文章中，将针对同是作为女性的紫式部，生活在这种男尊女卑的社会中，虽是以光源氏主人公，却费了大片笔墨描述了许多平安贵族女性的一生，其目的是什么；在此之上，作者想要表达什么样的心情等方面加以深刻的研究。
最终，可以得出结论，作者想要借此混乱的男女关系来侧面批判当时男女地位的不同，并批判当时的社会风气。对于这些遭遇不幸爱情的女性寄予同情的同时，也赞美了这些女性在地位低下的社会里勇敢追求所爱的人生态度，这体现了“美”。
关键词：男尊女卑；一夫多妻；人性美；贵族阶级；爱情
本稿では、代表的な四人の女性を中心に、光源氏への愛情を検討した。紫式部は数多くの女性を描くことを通して、当時の社会の女性が重視されない以上、女性の地位を高めるべきだと暗示する。これは紫式部のフェミニズムであると言ってもいい。
また、多くの女性が一人の男性を愛したが、男性は、自分の愛を全部相手に捧げるわけではない。これは前の対比で言えるだろか。「源氏物語」の中の光源氏は好色であると言っても言い過ぎではない。彼は美しい女性を見れば、すぐ恋に落ちてしまう。その結果、これらの女性たちは死ぬまで彼を愛することになる。筆者は女性として、これは悲劇だと考える。しかし、恋人にとっては、幸福というのは好きな相手と恋愛することだ。そのため、「源氏物語」は悲しみと同時に喜びを描き、また「美」をも表現している。特に、季節の変化により、景色の描写と人物の内心の描写と互いに助け、景情一体になった。この描き方は後人にとって、創作の上勉強する値打ちがある。優美な語句で人物の魂を引き立ている。
