要旨: 中国の四大名著の中の一つとしてある『西遊記』は、16世紀の中国の明の時代に大成した伝奇小説で、唐僧(日本版の場合:三蔵法師)が白馬(日本版の場合:玉龍)に乗って、孫悟空、猪八戒、沙悟浄を供に従え、八十一の難を乗り越え、天竺へ経を求めた物語である。20世紀半ばより、『西遊記』は中国を出て、日本において多種多様の形式でリメイク作品が湧き起こり、広範な伝播と発展を見た。また、『西遊記』を題材としている映画とテレビの作品も日本で歓迎され、大変人気がある。古典文学の異国での伝播に対して深い影響を与えた。
本稿は、古典名著『西遊記』の日本での伝播を研究することを通じて、その中の沙悟浄と日本土着の妖怪「河童」を分析対象にして、『西遊記』の日本の映画とテレビの作品の中の受容とその原因を分析する。そしてこの研究プロセスによって、『西遊記』の異文化、異文体の伝播状況を理解しながら、日本の風俗、伝統文化などの民族的特徴が文化の伝播へどのように影響するかを認識する。異国の視点から見る『西遊記』に対する斬新な解釈を整理してみよう。
キーワード:西遊記 妖怪 文化 伝播 変異 民族特徴
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1.先行研究について-1
1.1沙悟浄について-2
1.2河童について-2
2.日本における「沙悟浄」-3
3.沙悟浄と河童との造形の比較-4
3.1外見-4
3.2特徴-4
4.造形変化の原因-5
4.1歴史的の原因-5
4.2民族文化の影響-6
4.3土着化の影響-6
4.4ポストモダニズムの風潮の影響-7
おわりに-8
参考文献-9
謝辞-10