要旨:泉鏡花の文学創作の時期は明治、大正、昭和の三つの時代を経った。彼の作品は繊細な文字を通して、ロマン主義と耽美主義を表した。泉鏡花は独特の方法を使って、すばらしい女のキャラクターを描き出した。彼が描き出した女性は美化されただけでなく、理性化もされている、これは他の作家が模倣できない方法である。それでは、この女性たちがどんな個性があったか、彼女達はどんな物語があったか、彼女達はどんな結末があったか、彼女達はどうして描き出されたか、本文はそれらについて研究する。
本論は四つの部分からなっている。第一部分は作者についての紹介である。第二部分は『高野聖』を例として、先ずはこの文章のあらすじをまとめる。そして魔女を描写する言葉を選び出し、これらに基づいて魔女を分析する。この作品は小説のため、選び出した言葉は人物の動作や見た目だけでなく、言語描写もある。第三部分は『天守物語』を例として、おなじように先ずあらすじをまとめる。しかし『天守物語』には、女性が何人もいるから、ここではただ天守夫人を描写する言葉を選び出し、これらに基づいて分析する。この作品は劇のため、人物の言葉に基づいての分析が多い。第四部分はこの二人の女性を比較し、類似点あるいは共通点を見つけ出し、これらに基づいて、簡単に泉鏡花の女性観及びこの女性観が形成された原因を分析する。
同じ作者の違う作品から、比較という方法を運用して、作者の女性観に対し、共通的な思想をまとめた。
キーワード:泉鏡花 女性像 『高野聖』 『天守物語』 女性観
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1.作者の紹介-1
2.『高野聖』の分析について-2
2.1小説のあらすじ-2
2.2魔女についての分析-3
2.2.1魔女の魔性-3
2.2.2魔女の母性-4
2.2.3魔女の聖性-5
3.『天守物語』の分析について-5
3.1劇のあらすじ-6
3.2天守夫人についての分析-6
3.2.1天守夫人の魔性-6
3.2.2天守夫人の聖性-7
4.泉鏡花の女性観-8
4.1魔女と天守夫人の共通点-8
4.2泉鏡花の女性観について-9
4.2.1女性観のまとめ-9
4.2.2女性観の成因-10
おわりに-10
参考文献-12
謝 辞-13