要旨：一般に『舞姫』は、日本の明治期におけるロマン主義の代表的作品といわれている。主人公太田豊太郎は明治維新後の典型的な知識人である。太田は幼いころからドイツに留学するまで日本の伝統的な道に従って、「所動的、器械的」に勉強し、働いてきた。イエ意識、ウチ意識が強かった。だが、太田はドイツに留学してから、西欧の自由な風に接し、先進思想を得ることにより、考え方が急激に変化していく。親の教えに背き、上司の期待に背き、学問は荒れる。しかも、ドイツの娘と恋する。この段階においてはソト意識が強く表れていると思われる。
しかし、親友の相沢謙吉の好意により、再び立身出世コースに乗ることになる。愛情と功名が衝突するとき、太田豊太郎は愛情を棄てて、立身出世を選ぶ。ソト意識はウチ意識、イエ意識より強いのである。本稿では豊太郎が選ぶ時の悩み、葛藤について分析する。
また『舞姫』、は森鴎外が自分自身のドイツ留学の体験を基にして書かれると思われる。実生活には森鴎外はソト意識、立身出世を選んだ。しかし、太田豊太郎も、また作者森鴎外も、留学前と後には変化が生じている。
キーワード：「ウチ」意識 「ソト」意識 世界 恋愛 自由
摘要：大家普遍认为《舞姬》是日本明治时期近代浪漫主文学的代表作品。《舞姬》的主人公太田丰太郎是明治维新后典型的知识分子。太田从幼时开始到德国留学前一直是遵循日本传统的道路，“被动的、机械的”学习，工作。“家”意识、“内”意识非常强烈。但是，太田到德国留学后，接触了西欧的自由之风和先进的思想，并因此思想急剧发生了变化。违背父母的教诲，上司的期待，荒废了学业，并且和德国少女相爱。在这期间“外”意识非常明显的表现出来。
但是，由于朋友相择谦吉的帮助，再次投身于功名利禄之路。爱情和功名发生冲突时，太田丰太郎抛弃了爱情，选择了功名利禄。此时“外”意识比“内”意识、“家”意识强烈。本论文分析了太田在做出选择时的苦恼和内心的挣扎、矛盾。
《舞姬》一直被认为是森鸥外根据自己在德国留学期间的经历而创作的，在实际生活中，森欧外也是选择“外”意识，功名利禄。但是太田丰太郎，森欧外跟留学前相比，都已经发生了变化。
关键词：“内”意识；“外”意识；恋爱；自由；世界
『舞姫』の主人公の豊太郎は幼いころから躾の厳しい家に育ち、父を早く失ったが、母の教えに従って学問に励み、ひたすら立身出世のエリートコースを歩んできた。彼は国家や家の期待を担って選ばれた秀才としてドイツに留学した。ところが、ヨーロッパの文明に接したことで近代的な自我に目覚めていき、官長への抵抗も始まった。そして、舞姫エリスの経済的な危機を救ったことから恋人となり、そのことが間違って伝えられ免職となってしまう。唯一の肉親である母も亡くなり、西欧の地で孤独になった豊太郎はエリスと同居生活に入るが、親友の相沢謙吉の好意によって海外視察の大臣に同行し、再び立身出世コースに乗ることになる。だが、そのためにはエリスを棄てて、日本へ帰らなければならず、それを知ったエリスはまもなく生まれてくれる子供の襁褓をつかんで泣き、狂女となり果ててしまう。愛情と功名が衝突するとき、豊太郎は愛情を棄てて、立身出世を選んだ。
