要 旨:本論文では『ノルウェイの森』における喪失感についてを分析し、村上春樹の作品の中における「喪失感」はどのように読者に伝えられたかという主題を考察した。
まず村上春樹の小説の精神性と時代の雰囲気を見ると、彼の作中の独特の空虚感や喪失感は村上文学の一貫したテーマであることがわかった。また、『ノルウェイの森』に伝えられた時代の雰囲気は、「喪失感」と緊密な繋がりがあると考えられた。また、『ノルウェイの森』における喪失感について村上春樹の作品の芸術性を論じる資料を見ると、「喪失感」は作中における直子たちの「死」の最も根本的な原因であると考えられた。また、作中における「死」と「生」の関係を取り上げ、先行研究の材料から見て、「死」と「生」は対立する存在ではないことがわかり、「失」と「得」のような比喩な繋がりがあって、喪失感と因果の関係になっていると分析した。また、『ノルウェイの森』の中に死の影に覆い包まれた原因点を見ると、コミュニケーション、人間関係が希薄、心の豊かさを失った苦しみという面を取り上げ、「喪失感」との繋がりを明らかになった。それは、現代の人々は誰もが複雑な社会の中で、コミュニケーションや人間関係の無意味さ、諦めを感じている。そのためコミュニケーションを怠り、人間関係の深さを作れず、別れを繰り返す。そのため喪失感を常に感じている。最後、「森」の中から蘇る出口を見ると、若者は現実の世の中に平衡を保つことやコミュニケーション、人間関係を積極的に築くことが大きい出口であると考えられる。
結論部分は以上の論拠によると、『ノルウェイの森』によって、物質の豊富な現代社会で、喪失感、孤独感といった悩みや心の闇を持たせる人々は「森」から蘇るため、現世の中に「平衡」を探すのは村上春樹の表現意欲であるかどうかを疑問として研究してみた。
キーワード:喪失感 雰囲気 生 死 コミュニケーショ 人間関係 出口 平衡
中文摘要:本论文是以《挪威的森林》中的有关“丧失感”为中心的主题分析作为论据,“丧失感”这一主题思想在村上春树的作品《挪威的森林》中是如何向读者传达的这一论点来论证的。
本论文分为四个方面对论点进行论证。首先是对村上小说的精神性及作品中传达的时代氛围方面进行阐述,从而得出在他的作品中,空虚感和丧失感始终作为村上文学的一贯主题占有重要的位置。此外,还得出《挪威的森林》中所传达的时代氛围与丧失感有着密切的关联。其次是围绕对《挪威的森林》中所表达的“丧失感”这一主题思想进行阐述,通过一些有关论述村上春树作品的艺术魅力的资料可以得出丧失感是《挪威的森林》中直子等一些人物最后选择死亡的根本原因。然后从论述作品中生与死的关系,通过先行研究的资料中同理得出生与死并非对立的存在关系,而可以比喻为得与失的关系,论证出与丧失感之间构成了因果的关系。然后对这部作品中至始至终所笼罩的死亡阴影的原因分析进行阐述,从而通过所列举出的人际交流,人际关系的淡薄,内心空虚的痛苦这三点因素可以清楚地得出丧失感与其之间有着密切的联系。这是因为现在的人们在复杂的社会中,觉得人际交流和人际关系无意义,进而要放弃。因此对人与人的语言交流感到厌倦,不能够深入的交流,重复着分别,而导致心中一直伴随着丧失感。最后对如何才能从森林中苏醒找到出口进行阐述,从而得出年轻人在现世中要找到一种平衡点,并且积极地营造人际交流和人际关系的和谐。
结论部分由以上论证可知在《挪威的森林》这部作品中,在物质丰富的现代社会这一背景下,人们被丧失感和孤独感所困扰,为了寻找出森林的出口在现世中寻求平衡是村上春树作品的表达意欲。
关键字:丧失感;氛围;生; 死;交流;人际关系;出口;平衡