【要旨】「やっと」、「ようやく」、「ついに」、「とうとう」この四つの言葉は長い時間がかかった後一つの結果が出たことを表す情態副詞である。中国人にはそれぞれの使い分けができないので、よく誤用してしまうのである。従来この四つの言葉の使い分けに関する文は主に意味論的な見地から研究されてきた。しかし、中国人日本語学習者の場合、母語に影響されるのも誤用を犯した原因の一つになると考えられる。本論ではこの四つの言葉の使い分けに焦点を当てて、対応する中国語副詞を対照研究させながら、中国人日本語学習者にとっての誤用しやすい点を明らかにし、それらの誤用に対する指導方を探った。
即ち、①「やっと」は「终于」と「才」に対応しており、期待されていない・予想以外の事態の成立及びマイナスの結果が出た場合には使えないうえ、「ようやく」より時間的な大変さが感じる。②「ようやく」は「やっと」と同じように「终于」と「才」に対応でき、期待されていない・予想以外の事態の成立とマイナスの結果が出た場合に使えないが、「やっと」よりお金・労力といった苦労さが感じる。また、「渐渐」に対応する時は事態の実現に至るまでの過程に注目する。③「ついに」は「终于」と「竟」と対応関係を持っており、客観的なことを述べる言葉として多く用いられるので、話し手の主観意識が強い文脈では使いにくい。④「とうとう」は「ついに」に近いので、「终于」と「竟」に対応しているが、苦労しても期待が実現しなかった・事態が話し手の期待に反して進行するような場合には使いやすいほか、話し手の無力感と残念さが感じる。
本論は日中対照の観点から日本語類義語の使い分けを中心に研究を行った。
【キーワード】情態副詞;日中対照;誤用;主観的;客観的
【摘要】「やっと」、「ようやく」、「ついに」、「とうとう」这四个词都是情态副词,表示经过一段很长的时间后事情出现了一个结果。对中国人来说由于无法分清它们各自的区别,因此经常会发生误用现象。此前有关这四个词区分的文章基本上都是从意义论的角度来写的。但是,从中国人日语学习者的角度来看,母语的影响也是产生误用的原因之一。本文采取中日副词对比研究的形式,以四个词的区分使用为中心,阐明了中国人日语学习者的易误用点,并探索了针对误用的指导方法。
本文得出的结论是,①「やっと」与「终于」和「才」相对应,在描述不被期待的、预想以外的情况以及负面结果时不能使用,并且比「ようやく」更强调时间方面的辛苦感。②「ようやく」和「やっと」一样与「终于」及「才」相对应,在描述不被期待的、预想以外的情况以及负面结果时不能使用,但是。「ようやく」更强调因金钱及劳力的使用而产生的辛苦感。③「ついに」和「终于」及「竟」保持对应关系,由于它多用于描述客观事实,因此在说话人主观意识较强的句子中无法使用。④「とうとう」因为和「ついに」比较接近、所以它也和「终于」及「竟」保持相对应,但是当描述主体即使付出了劳力还是没有实现愿望,或事态朝着与主体的期待相反的方向发展的情况时,「とうとう」更加适合,并且能够感受到说话人的无力感和遗憾。
本文从中日对照的角度出发围绕着日语近义词的区别使用展开了研究。
【关键词】情态副词;中日对照;误用;主观的;客观的