要旨:中国にも日本文化にも、「鬼」が主人公となっている伝説や物語がたくさんある。中国と日本は一衣帯水の隣国であるため、古くから交流があり、文化面でもいろいろな影響を与え合ってきた。「鬼文化」に関しても例外ではない。中日の鬼文化については、似ている部分もあるし、それぞれの独自性を持っている部分もある。
「鬼」という言葉はもともと中国から日本に伝わってきたものだが、日本は中国の鬼文化をそのまま受容したわけではなく、日本の社会的基盤に合うような部分だけを取り入れたようである。また、取り入れたものもそのままの姿ではなく、日本人の価値観や思考方式ににあったものに変化させて定着させたようにも思われる。したがって現在日本にある鬼文化は中国の鬼文化とは同じではない。
そしていつの間にか中国の「鬼」と日本の「鬼」の意味が異なるようになってしまった。
本論では、中日における鬼文化の類似点と相違点を比較し、その原因や理由などを論じてみたものである。
キーワード:中国の鬼、日本の鬼、共通点、差別
摘要:无论是在中国文化还是日本文化中都流传奇妙的鬼故事。以鬼为主人公的传说数量庞大。
日本和中国是一衣带水的邻邦。从古代开始,中日两国之间便有了交流。因此,在很多领域都产生了密切的联系。特别是在文化方面,既有相互影响的地方,也有各自保持特性的地方。鬼文化就是典型的例子。
鬼这一词是古代从中国传入日本的,但是日本并没有照搬照抄中国的鬼文化,而是有所取舍地导入到社会基础当中去了。同时,吸收的部分也并不是直接保留原样,而是按照日本人的价值观和思维方式进行了改造。所以,日本本土的鬼文化并不只是照搬照抄中国的,而是和中国的鬼文化融合之后的产物。通过这一过程,便产生了和中国不同的鬼文化。
本文以中日鬼文化的异同为中心展开论述,并将简单阐述自己的观点。
关键词:中国的鬼;日本的鬼;共同点;不同点