要旨:20 世紀初期に、文壇の主流を占めていた自然主義文学は写実的方法が行き詰まりかけて、耽美主義は日本文学の独特の美意識を受け継ぐ一方で、西洋の耽美主義のデカダンの影響も受けて、反自然主義文芸として華々しく登場した。代表作家の谷崎潤一郎は耽美主義の作品を多数創作した。彼は美にとって独特な考えがあって、「悪」から美を見出だし、とくに普通の人に分かりにくい官能美を追求していた。
しかし、その時日本に留学する中国作家がたくさんいた。郁達夫は代表人物の一人として、明治維新後の日本で、ほぼ十年も暮らしていた。日本での生活を楽しんでいたから、彼の創作も日本の耽美主義から大きく影響された。郁達夫の小説を読んでみれば、彼の小説にある病的な美への追求は日本耽美主義大家の谷崎潤一郎のとよく似ていることが分かる。しかし、彼らの美への追求を比べてみれば、それぞれ違った意味を持っていることも分かる。この二人の作家の小説は濃厚な官能性や頽廃色彩を帯びているにもかかわらず、郁達夫はそういう官能性や頽廃に懺悔の気持ちを持っているに対して、谷崎潤一郎はそれを執拗に追求しているのである。郁達夫は情感を重んじているが、谷崎潤一郎は官能を重んじているのである。郁達夫の小説のほうが生活の現実がもっと多く描かている。それらの違いが生じた原因は当時の時代背景と社会変遷にある。
キーワード:谷崎潤一郎 郁達夫 耽美主義 対照研究
摘要:兴起于20世纪初期的日本唯美主义文学流派,在继承日本文学特有的“物哀美”的基础上,受西方唯美主义文学颓废、病态风格的影响,透过一幅幅荒诞、怪异的画面,构筑了日本唯美主义绚烂的殿堂。谷崎润一郎作为日本唯美主义流派的代表人物之一,创作了许多独具特色的唯美主义经典之作,表现出了他对于美的独特想法,从“丑恶”中发现美,甚至于是常人所不能理解的那种对于官能美的追求。
而那个时期许多中国作家留学日本,郁达夫作为代表人物之一,他以留学生的身份在明治维新后的日本生活了近十年,长期浸泡在日本的生活文化中,他的创作深受日本唯美主义文学的影响。试着读一下郁达夫的小说,就会发现他的小说中有关病态的美的追求与日本唯美主义大师谷崎润一郎有着很大的相似之处。但比较之后又会发现,两位作家对美的追求有着截然不同的意义。虽然他们的创作中都表现出很浓的官能性和颓废色彩,但郁达夫对自己的颓废是忏悔的,谷崎润一郎则是执着追求的;郁达夫偏重于情感,谷崎润一郎却偏重于感官。郁达夫的小说中更能体现一种生活的现实。之所以会造成这样的不同是因为当时中国的时代背景和社会原因。
关键词:谷崎润一郎 郁达夫 唯美主义 对照研究