要旨:アニメといえば、まず思い浮かべるのが日本のアニメである。日本のアニメ産業は日本の中心産業の一つとして、日本にも、世界にも,大きな影響を与えている。現在、全世界のアニメの中の約60%は日本のアニメである。アニメはすでに日本と世界の架け橋の一つになっているのである。
中国が日本からアニメを輸入したのは、1980年代であった。「80後」世代が子供の頃は、ちょうどアニメの黄金時代であり、多くの日本アニメが中国のテレビで放送されていた。現在でも有名な「セーラームーン」や、「ドラゴンボール」や、「ドラえもん」など、全てこの時期に放送されたものである。
そのため、日本のアニメが筆者を含めた「80後」にとってどのような意味を持つのか、どのような影響を与えたかということは日本研究に対して重要な分野であると言える。本稿では中国の「80後」へのアンケートを実施して、生の声を集めて分析するとともに、これまでの先行研究も踏まえながら、この問題について検討する。本稿では、六箇所に分けて、その影響を研究する。
1 cosplayの流行 2 BLの受容―腐女子の出現
3文学における影響―同人小説が大人気 4自主的な「日本語字幕組」の出現
5 日本語学習熱 6対日感情の変化に与えた影響
この研究を通じて、現在の中国の20代の若者(特に1980年~1989年に生まれた一人っ子たち)が日本アニメの影響の下で、その思想、感情、趣味、生活方式などをどのように形成してきたかがわかるはずである。それによって中国の若い世代をよりよく知ることができるはずである。
キーワード:アニメ 「80後」 文化
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに1
2.日本のア二メの中国への進出3
2.1日本のアニメの歴史
2.2中国への進出と現状
3.中国の「80後」と日本のアニメ..4
3.1「80後」とは何か
3.2日本のアニメが「80後」へ与えた影響
4.アンケート結果から見る「80後」が見たアニメとその影響..7
4.1小学校卒業までに見たアニメとその影響
4.2中学・高校時代に見たアニメとその影響
4.3大学時代に見たアニメとその影響
4.4大学卒業後に見たアニメとその影響
4.5アンケート結果の総括
5.社会にあらわれた影響11
5.1 cosplayの流行
5.2BLの受容―腐女子の出現
5.3文学における影響―同人小説が大人気
5.4自主的な「日本語字幕組」の出現
5.5日本語学習熱
5.6対日感情の変化に与えた影響
6.終わりに.15
参考文献17
謝辞18