要旨:日本の「茶の間」と呼ばれる部屋には畳が敷かれている。畳の間は一家団欒の場として使われる以外に、多様な用法を持っている。畳から生まれた日本の生活習慣、すなわち「坐る」ことは現在まで続いている。特に日本の伝統文化(茶道、華道、剣道など)は、主に畳の場で行われる。
本稿は、畳を中心に、中日のライフスタイルの相違と家族団欒の実態を研究することが目的である。文献とインターネットによる検索を主な方法とした。
奈良時代に畳が初めて登場した時、畳のサイズと形は現在と違い、上流階層だけに使用された。庶民への普及は江戸時代の中期以降である。他方、中国ではもともと床の上で暮らしていたが、だんだん床の上での暮らし方を廃止して、椅子に坐るようになった。異民族からの影響により、漢民族の服装が変わり、正坐以外の姿勢もできるようになったことが一つの要因である。もう一つは椅子が登場したためである。椅子のおかげで、中国人は完全に床に坐る生活を止めた。
畳の歴史を把握することによって、日本と中国がそれぞれ異なる生活様式を選んだ理由を把握し、日中のライフスタイルの違いを理解した。
キーワード:畳;歴史;服装;習慣
目次
中文摘要
要旨
第1章 はじめに-1
1.1 本研究の背景-1
1.2 先行研究の紹介-1
1.3 本研究の構成-.2
第2章 畳の歴史と畳の基本知識-3
2.1 畳の登場-3
2.2 畳の普及-5
2.3 畳に関する用語-6
2.4 畳の寸法-7
2.5 畳の敷き方-7
2.6 畳の間の役割-7
第3章 中日の生活様式の比較-9
3.1 畳に坐ることと日本人-9
3.2 中国での坐る場所の変化――床から椅子へ-10
3.3 中国への椅子の影響-12
3.4 土足の習慣-12
3.5 中日の一家団欒の場の比較-13
第4章 畳の現状-15
4.1 畳の減少-15
4.2 消失の原因-16
4.3 畳の減少から見る世界の伝統の消失-17
第5章 おわりに-19
5.1 本研究の観点-19
5.2 本研究の欠点と今後の展望-19
参考文献-20
謝 辞-21