要旨
周知のように、妖怪文化は日本では盛んで、妖怪専門の絵本だけではなく、井上円了によって「妖怪学」まで創立された。文学作品のみならず、最近、「妖怪」はアニメやドラマなどに取材されており、ドキュメンタリーにも及んでおり、世界へ広がる。しかしながら、これらマスコミの中で現れた「妖怪」と古来から継承されてきた「妖怪」のイメージとは少し違うと思っている。日進月歩の世の中に、自然環境や人間の思想などに変化が起きてしまう。これは日本の伝統的妖怪文学にも見貶さず影響を与える。近年、日本では、京極夏彦という作家が書いた作品における「妖怪」というものが多くの人の興味を起こした。本稿では、文学の領域で、京極夏彦の作品を踏まえ、京極氏の日本伝統的妖怪文学の継承と超越を研究してみたい。
キーワード:妖怪文学;京極夏彦;継承;超越
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
1.1 日本の妖怪-1
1.2 日本の伝統的妖怪文学と現状-1
1.3 本稿の目的と研究方法-3
2.先行研究-4
2.1 日本伝統的妖怪文学-4
2.2 京極夏彦-5
3.京極夏彦の代表作-7
3.1 小説の主人公たちと京極夏彦が作った「世界」-7
3.2 代表作の紹介-8
4.京極夏彦の作品に見られる日本伝統的妖怪文学への継承-9
4.1作品の中の引用-9
4.2作品に見られる日本伝統的妖怪文学への継承-10
5.京極夏彦の作品に見られる日本伝統的妖怪文学への超越-12
5.1 時代:社会と戦争-12
5.2 夢境:現実の欠片-13
5.3 心理:分裂と解析-14
5.4 推理:謎々を解く-15
6.結論と今後の研究課題-16
6.1 結論-16
6.2 今後の研究課題-16
注 釈-17
参考文献-18
謝 辞-19