要旨
『刺青』は谷崎潤一郎の処女作である。「刺青」はその小説のキーワードである。文身は古い風俗習慣だけでなく、社会の発展に従って、次第に特別な文化芸術に変えてきた。昔の日本の入れ墨は異端性があると思われる。そのような背景の中で、谷崎潤一郎は『刺青』を作った。娘の背中に彫り上げた〈巨大な女郎蜘蛛の形〉はある特定の象徴的意味があると考えられる。しかも、〈女郎蜘蛛〉というイメージから見ると、谷崎潤一郎の特別な文身観が見られる。それゆえ、本論文では、日本の刺青文化を踏まえて、先行研究を参考しながら、『刺青』における文身を分析した。
キーワード:日本の文身文化; 異端性; 女郎蜘蛛; 谷崎潤一郎の文身観
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
2. 『刺青』という小説について-2
2.1 『刺青』のあらすじ-2
2.2 『刺青』の文学地位-2
3. 先行研究とその問題点-3
3.1日本における先行研究-3
3.2中国における先行研究-4
3.3先行研究の問題点-4
4. 女郎蜘蛛の模様が選ばれた理由-5
4.1日本の伝統的な刺青文化の影響-5
4.1.1日本の刺青の歴史-5
4.1.2日本の刺青の特徴-6
4.2日本の民間伝説から-7
4.3生物学の立場から-8
5. 谷崎潤一郎の刺青観-8
6.おわりに-9
参考文献-10
謝 辞-11