要 旨
「勧誘表現」は、どの種類の言語においても重要な社会言語現象である。謝罪表現、依頼表現、命令表現、感謝表現などから構成される日本語の表現形式の中に、勧誘表現は聞き手に動作を誘ったり、意見を表したりする重要な言語表現形式である。勧誘表現における研究は日本語の言語研究において重要な課題であると言えろう。
ドラマは社会と生活を表現する芸術の一種として、人間の生活と言語のリアルな描写である。ドラマにおける人間の対話は生活に近く、生活を表している。その故に、日本ドラマにおけるセリフを通じて正確に日本語の言語表現を研究することができるであろう。
本稿は三章から構成されている。
第一章は勧誘表現の定義を述べ、中国側と日本側における勧誘表現の先行研究を踏まえ、本研究の位置づけと研究方法を説明した。
第二章は本稿の調査資料の概要と分析である。ここでは、まず、本研究の調査資料、つまり9編のドラマを紹介した。また、14つの表現のデータとその使用率をグラフと分析図にし、各表現の使用率を分析した。
第三章は話し手の性別、人間関係と動作の主体から、データをグラフと分析図にしながら勧誘表現を分析した。
最後に、「女性の勧誘しかたは男性より丁寧である」、「上下関係は親疎関係と相まって勧誘表現の使用を影響している。」などの結論を出した。また、日本語学習者に提言し、本稿の不足点を分析し、今後の話題を明かした。
キーワード:勧誘表現 ドラマ 性別 人間関係
目 次
要 旨
中文摘要
はじめに-(1)
第一章 日本語の勧誘表現-(2)
1.1 「勧誘表現」の定義-(2)
1.2 先行研究-(2)
1.3 本研究の位置付けと方法-(3)
第二章 データ概要及び分析-(5)
2.1 調査資料-(5)
2.2 勧誘表現の表現形式及び使用率-(6)
第三章 勧誘表現の使用実態-(10)
3.1 話し手の性別による勧誘表現の使用実態-(10)
3.2 人間関係における勧誘表現の使用実態-(15)
3.3 動作主体による勧誘表現の使用実態-(25)
終わりに-(29)
参考文献-(31)
文献概要-(32)
謝辞-(34)