要旨
本稿は、淮陰師範学院の日本語専攻大学生のデータを用い、習得度の観点から彼らの日本語学習に関する意識調査を実施し、その結果に対し分析を加えたものである。
分析した結果、次のことが明らかになった。
(1)日本語学習動機については、日本語専攻大学生の多くは外発的動機づけ
の働きによって日本語を選んだということが分かる。
(2)授業内容として最も学生達が関心を寄せたのが「日本文化講座」で、
「希望する授業形態」として、教師と学生が双方向で交われるような形
態に対する支持の割合が極めて多いことが明らかになった。
(3)どの習得度でも日本語に対して難しいイメージを抱く学生が多数いるも
のの、日本語専攻大学生は母語でなく日本語を使用しようとする認識意
識は高い。さらに、日本語に対する難易度の認知は、日本語を使用する
態度に影響を与えない。
(4)日本語資格試験への関心は主に日本語能力試験1級に寄せられている。
学生が日本語会話力に憧れているものの、実際身に付けている会話力
は高くない。
(5)ほとんどの四年生が実習の時期に対して不満を持っているという実態
がある。また、論文を書く事において一番の難題は日本語の資料を探
すことである。さらに、学校側に「会話力を養うコースを増やしてほ
しい」という生の声があることもわかった。
キーワード:日本語専攻大学生;日本語学習意識;習得度差
目次
謝辞
要旨
摘要
1 はじめに-1
1.1 研究の目的・意義-1
1.2 先行研究-1
2 調査概要-3
2.1 アンケート調査の内容-3
2.2 アンケート集計結果の概要及び分析の方法-4
3 調査結果と分析-6
3.1 「日本語学習動機」について-6
3.2 「授業への態度」について-7
3.3 「日本語意識」について-8
3.4 「日本語能力」について-10
3.5 「大学当局への要望」について-12
4 調査への考察-15
5 終わりに-17
参考文献-18
資料参照-20