文化視点から見た日本語の曖昧性
————「どうも」を例として
要旨:率直に言う習慣のある中国人と違い、日本人は曖昧な言語習慣を持つとされている。言語習慣の差異があるからこそ、中国人にとって文化における日本語の曖昧性を理解することはできなくなる。言語習慣は一国の文化表現である以上、曖昧な日本語が理解できないなら、日本国の文化も理解できないと
いえる。それにより、本文は典型的な曖昧語「どうも」を例として日本語の曖昧性を説明し、その曖昧性の文化根源を検討しようと思う。
全論文の構成は以下のとおりである。
まず、先行研究史を揃えた。日本語曖昧性に関する理論をまとめた上で、日本語曖昧性の定義を指摘し、本論文の研究方向を示した。
その次、日常実例で感謝用、謝罪用、挨拶用、評判用から「どうも」の曖昧表現を説明した。それに、「どうも」の自身特色からその高頻度使用の原因も検討した。
更に、自然環境、日本国歴史、日本人価値観、中国大陸思想の四つの面から「どうも」の曖昧表現の文化根源に対する深い分析を行った。
最後に、本論文の指摘した点を総括し、今後の残った課題及びこの分野の展望を述べた。
キーワード:どうも 日本語 曖昧性 文化
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
2.先行研究-1
2.1「曖昧性」の定義-1
2.2 日本語曖昧性についての国内外研究現状-2
3.「どうも」の曖昧表現-3
3.1 「どうも」の使い方-3
3.2「どうも」の曖昧な日常表現-3
3.3 「どうも」の高頻度使用の特色分析-6
4.「どうも」の曖昧表現の文化根源分析-7
4.1 自然環境の影響-8
4.2 日本国歴史の影響-9
4.3 日本人価値観の影響-10
4.4 中国大陸思想の影響-10
5.終わりに-12
謝辞-13
参考文献-14