要旨
『細雪』という作品は谷崎潤一郎が古典伝統美についての最高の傑作である。日本文学史及び世界文化史上重要な地位を占めた。作品は日本伝統的美意識の「まとこ」に基づき、「幽玄」や「もののあわれ」といった美学の理念も流れている。また、純粋な視角で日本ならではの美しさと悲しみに満ちている世界を築きだした。『細雪』の中の人物描写も生き生きとしていて、特に雪子と妙子その二人のイメージが見事で、印象を深く与てくれた。『細雪』に関する研究がたくさんあって、主に作家論と作品論その二つの方面をめぐって論じられた。本論文は雪子と妙子その二つの人物を紹介して、彼女たちの異同点を比較して、『細雪』の世界を入てみる。
本論文は六つの部分から構成されている。第一部分は先行研究及び手段と目的について紹介する。第二部分は谷崎潤一郎の生涯及び『細雪』という作品について紹介する。第三部分は雪子と妙子について全体的に紹介する。第四部分は、雪子と妙子のイメージをめぐって、外貌や服装や性格や恋愛観などを具体的分析する。第五部分は雪子と妙子の異同点の原因についてを分析する。第六部分は論文の結論を結ぶ。本論文は『細雪』における雪子と妙子に対する分析を通じて、彼女たちが潜んでいるそれぞれの伝統的な美を探し、更に谷崎文学の中に流れた日本の美意識を掘り出してみたいと思う。
キーワード: 谷崎文学、日本の伝統的美意識、『細雪』、雪子と妙子
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに1
1.1 先行研究について
1.2 研究手段と目的について
2. 谷崎潤一郎と『細雪』について.2
3.『細雪』における雪子と妙子について2
3.1雪子について
3.2妙子について
4.雪子と妙子の比較4
4.1外貌と服装について
4.2恋愛観と結婚観について
4.3性格について
4.4美意識について
5. 雪子と妙子の異同点の形成する原因について.7
5.1同じところ:古典美の世界への慕い
5.2異なったところ:「伝統」を重んじる「東洋」と「独立」を求める「西洋」
6.結論.9
参考文献.10
謝辞