要旨:夏目漱石は日本の有名な国民的作家である。本論文は日本でも一番多くの人に愛読された『坊ちゃん』という作品を題材とし、坊ちゃんと学生との師弟関係を分析する。特に学生側、同僚の教師側や坊ちゃん本人側という三方向からこの正常ではない師弟関係の原因を考える。また、当時の明治維新後の時代という社会背景を考察し、当時推進された教育制度研究からこの正常ではない師弟関係の根本原因を追究する。
学生側から分析すれば、田舎の学生によるちょっとした好奇心といたずら心だったようだが、実は赤シャツをはじめとする同僚の中の悪い勢力の扇動があったことも大きな原因の一つであった。また、坊ちゃん本人から見れば、彼は教師という職業にあまり興味がなく、また田舎を馬鹿にしており、それをあからさまに態度に出すという失態もあった。しかし、根本的な原因としては、当時の明治政府が実施した腐敗した教育制度もあった。当時、日本の教育制度は軍国主義教育を強調していた。その中で、国民は天皇に絶対服従するという要求がある。この教育制度も坊ちゃんと学生の関係に影響していたと考えられる。
キーワード:異常;師弟関係;原因;教育制度;啓示
目次
要旨
中文摘要
1.序章.1
1.1夏目漱石と『坊ちゃん』について
1.2『坊ちゃん』についての先行研究
2.『坊ちゃん』における師弟関係とその原因.3
2.1師弟関係
2.2学生側からの分析
2.3教師側や同僚からの分析
2.4「坊ちゃん」本人からの分析
3.明治時代の教育制度について.6
4.明治時代の教育制度の問題点.7
4.1教育制度と政治
4.2現代日本の教育制度に対する啓示
5.終章.9
参考文献10
謝辞11