要旨:妖怪文化は哲学、社会学、経済学、文芸学、心理学、医学などの方面から様々な怪異な現象を考察する全方位の探究である。妖怪文化は中・日両国に甚だ流行している。妖怪を題材とする映画、アニメも一般に歓迎されており、妖怪についてのゲームも出ている。同時に妖怪文化についての研究書も多くある。例えば、柳田國男の『妖怪談義』及び劉仲宇の『中国精怪文化』などである。妖怪文化に対して、既存研究は主に妖怪文化の発展傾向から分析する。例えば、古今の妖怪に対する分類、妖怪文化と陰陽師の関係及び社会生活についての影響などである。しかし、両国の妖怪文化の比較についての研究が足りない。この問題は、私たちを妖怪文化に含まれている民族的な内容を更に深く理解させる一助となる。
本稿は中・日両国妖怪文化の比較をめぐり、まず、中・日両国が妖怪文化を受け入れる程度を比較する。次に、中・日妖怪文化における異質的特徴を比較する。最後に、異質的特徴の発生原因を分析する。本論文における結論は、日本妖怪文化には死後社会とのより深い関連及び両面性があるが、中国妖怪文化には現実社会とのより深い連絡及びトーテムと緊密な関係がある、ということである。
キーワード:妖怪文化;両面性;トーテム;死後社会;現実社会
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに.1
1.1妖怪と妖怪学の定義
1.2研究の目的と意義
2.妖怪文化を受容する程度について.2
2.1日本における妖怪文化の受容程度
2.2中国における妖怪文化の受容程度
3.中・日妖怪文化の異質的特徴について.4
3.1日本妖怪文化の二面性
3.2日本妖怪文化と死後社会の関係
3.3中国妖怪文化と現実社会の関係
3.4中国妖怪文化の神秘トーテム
4.異質的特徴の発生原因について.7
4.1自然環境の違い
4.2宗教信仰の違い
5.終わりに.8
参考文献.10
謝辞.11