要旨:20世紀末から21世紀初まで、日本文壇では次々と多くの女性文学作品が現われていた。その時代には、読者に人気があって、独特な魅力で文壇に立ち優れている作者がそろっている。それは日本女性文学が新たな時代に踏み切っただシンボルではないかと思う。その中で、津島佑子は日本文壇でもっとも目立ち存在で代表的な女性作家だと称しても過言ではない。『黙市』は津島佑子作品集の中で、読者にとってもっとも印象深い小説である。
『黙市』は象徴の手法を通して、六義園という日本庭園を借りて、封建時代における男権主義思想に抵抗しようと表現している。それは彼女の他の作品と同様に、伝統的な家庭形態にこだわらず、不完全な家庭に目を付け、女性を主体とする新しい家庭のモデルを建てようという所である。作者はもっと生命の真実さに近い家庭観を日本当代女性文学の特有の芸術魅力として完璧に示されていた。
本論文は『黙市』という小説の研究を通して、作者津島佑子の家庭観を分析してまとめようと考えている。その問題を明らかにした上で,はじめて作者なりの家庭意識を究明し、その形成した原因を分析することができる。それを中心に、他の女性作家たちと比べ、特に森茉莉氏と松浦理英子氏の作品を研究して、彼女たちの作品の中に表れた家庭観と比較して、その相違点を究明した。それに、母子家庭の中で子供の存在はいかなる影響をもたらしかについて徹底的に分析してみた。
キーワード:津島佑子 黙市 家庭形態 家庭観 女性文学
目次
要旨
中文摘要
はじめに1
1作者津島佑子と家庭1
1.1女性文学作品における津島佑子の地位1
1.2作品の中に表れた作者の家庭意識2
2家庭パターンの不完全と家庭意識‥4
2.1女性意識の流れと日本社会4
2.2作品に芽生えた新しい家庭意識 5
2.2.1男性と家庭の関係5
2.2.2女性主人公と父親の関係6
3女性を中心に見られる家庭意識6
3.1家族の関係を中心にするシーン 7
3.2松浦理英子氏の作品とその女性意識7
4『黙市』と津島佑子の家庭観8
おわりに9
参考文献 11
謝辞 12