要旨:集団志向は日本人の国民性の一つとして周知されている。それは日本の経済発展に大きく貢献したというプラス面があると同時に、「村八分」という集団いじめのようなマイナス面もある。
本論文ではその「村八分」に着目し、集団意識の概念と形成そして是非を論じたうえで、村八分の意味合いと制度、事例および特徴を考察し、そこから集団意識の特徴を再考し、その変容について探った。
集団行動主義の代表的な表れである「村八分」により、異質者への排除、協力性、集団優先といった特徴を見出した。それは「内外文化」が形成される要因の一つでもあった。そこでは、善悪を問わず、構成員一同の共同体への絶対的な服従と一体化・協力性・集団最優先が強要され、個性や異見への抑制が見られた。しかし、グローバル化という大きな背景において、集団意識が変容し、ユニークな考え方が唱えられ、個性や能力が志向され、文化や価値観の多様性が顕著になりつつある。
キーワード:村八分、集団意識、特徴、変容
目次
要旨:
中文摘要
はじめに-1
第一章 集団意識について-1
1.1集団意識の概念と形成-2
1.2集団意識の是非-2
第二章 「村八分」について-3
2.1「村八分」の概念と制度-4
2.2「村八分」の事例ー静岡県上野村村八分事件-4
2.3「村八分」における特徴-5
第三章 集団意識の特徴に関する再考-6
3.1異質者への排除-6
3.2日本人の協力性と集団優先-7
3.3集団意識の変容-7
終わりに-8
参考文献- 10
謝 辞-11