日文要旨:夏目漱石の『坊っちゃん』の舞台となった明治維新後において、西洋文明を急速 に取り入れて日本文明を開化させようとするいわゆる「文明開化」の思潮が高まっ た。外来文化を受容することは、それ自身広い意味で教育の問題であったが、狭い 意味でも文明開化は教育と深い関連をもっていた。文明開化の風潮とともに、民間 の啓蒙運動もきわめて盛んであった。
「教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚な、正直な、武士的な元 気を鼓吹すると同時に、野卑な、軽躁な、暴慢な悪風を掃蕩するにあると思いま す。」この話は『坊っちゃん』の主人公としての「山嵐」先生の話であった。「坊 っちゃん」自身も賛成のことである。やはり日本近代明治維新以来の「教育」理念 として称えている真の精神を語っている。つまり、「教育」は学問の伝授だけでな く、生徒の精神をも立派な人間に育てるためである。生徒の身にある「野卑な、軽 躁な、暴慢な悪風を掃蕩」し、「高尚な、正直な、武士的な元気を鼓吹する」べき である。
本稿では、夏目漱石の『坊っちゃん』の教育理念の考察を通し、また、『中学改 良策』、つまり 漱石の大学時代の明治25年に教育学の論文として作成したもので、 明治以来の中学の沿革を調査し、当時の中学校の教育の不備を制度、教師、制度、 教科、教授法などにわたって改良すべく提案したものである。先行研究文献を参照 しながら、「坊っちゃん」における漱石の教育趣旨を踏まえて、また明治時代の教 育法規に遡って、一般庶民にまで教育が施されるのはいつのことからであり、そし て戦後及び現在の教育の流れについて考察し、思索しながら、その背後に隠された 価値を掘り出され、現代中国の教育への啓示になれば幸いだと思う。
キーワード:教育;改革;学制;ゆとり教育;明治教育;坊っちゃん
中文摘要:夏目漱石小说《少爷》的背景是在明治维新之后西方文明急速涌入,日本“文明 开化”思潮高涨时期。外来文化的影响从广义上来说是教育问题,从狭义上来说是文 明开化和教育密不可分的关系。文明开化的风潮盛起时,民间的启蒙运动也高涨。
“我认为教育之精神,并不单单在于教授学问,除了提倡高尚、正直、武士的锐 气之外,还应该摒弃卑鄙下流、轻佻浮躁、残暴凶恶的恶习。”这段话出自小说《少 爷》的主人公“山岚”先生之口。“少爷”自己也很赞同这个观点。所说的正是日本 近代明治维新以来所提倡的“教育”理念的精髓。也就是说,“教育”不仅要教授学 问,还应该从精神上将学生塑造成伟大的人才。应该扫除学生身上的“卑鄙下流、轻 佻浮躁、残暴凶恶的恶习”,使其养成“高尚、正直、武士的锐气”。
本 论 文 拟通 过 《少 爷》 中 的 教育 理 念的 考察 , 参 照夏 目 漱石 的《 中 学 改良 方 法》,围绕小说“少爷”中所阐述的漱石的教育主旨,并追溯到明治时代的教育法 规,以此来研究何时开始教育普及到普通百姓中,并分析了战后以及现在教育的发展 历程。同时思考并挖掘背后所隐藏的价值,思考对中国当代教育的启示。
关键词:教育;改革;学制;宽松教育;明治教育;哥儿
目次
中文摘要
日文要旨
はじめに-1
1. 夏目漱石の『坊っちゃん』における教育理念-1
1.1 日本近代の名作―『坊っちゃん』-1
1.2 『坊っちゃん』の主人公「おれ=坊っちゃん」-1
1.3『坊っちゃん』における漱石の教育理念-2
1.4 本研究における目的と意義-6
2.明治維新後の教育改革の回顧-8
2.1 明治初期の教育制度改革-8
2.2 「学制」による小学校の設立 -10
2.3 明治初期の小学校での科学教育 -10
3. 戦後教育の変遷-11
3.1 戦後復興から高度成長へ(1945〜1952) -11
3.2 高度経済成長下の教育(1952〜1977) -11
3.3 「ゆとり」教育(1977〜)小学校の教育課程に関する基礎資料 -12
4. 終わりに-14
参 考 文 献-16
谢-辞-16