要旨:中日文化交流は二千年以上の歴史も持っている。その中、漢詩は中国の古典であると共に日本の古典でもある。日本漢詩は特別な文学形式として、千三百年の歴史も持っている。日本人は中国語が出来なくても漢詩を作ることが出来る。これは日本語の中に漢字があることによるとともに、中日両国の文化交流にもよることである。特に、日本の江戸時代では日本漢詩が最高峰に到達し、漢詩水準も普及程度も最も高いレベルになった。大正時代以降、日本の漢詩は衰退の一途を辿って来たが、現代の日本においても漢詩家がかなり存在し、その中には水準が高く、文学価値があるものもある。
本論文は現代日本漢詩の代表者の一人である綿引方子の漢詩について全面的に考察し、系統的な分析により、その特徴をまとめようとするものである。方風漢詩のジャンルには絶句、律詩、古風詩、詞などがある。その中、絶句が圧倒的に多く、八割以上を占めている。内容には、感懐咏、志向咏、時事咏、四季咏、親友咏五つの面から分析を行った。それによって、方風漢詩の特徴をまとめた。結論からみると、方風漢詩は風雅を追及するだけではなく、生活者に対する共感、社会問題に対する関心も表現した。日本の現代漢詩では、風雅な作品が主流である。しかし、方風漢詩では、教育問題や政治問題などの現実問題についてたくさんの言及がある。それは綿引方子の優れている点だと考えられる。それによって、日本の現代漢詩界においてはいっそう高く評価されるべきだと思う。
また、漢詩という古典文学のジャンルをあらためて注目させ、このような研究を通して、綿引方子を記念する。それだけではなく、更に漢詩という文化ジャンルによって中日友好の橋をかけ、両国が文化的により多く共鳴し、お互いに交流して勉強し、促進することが本稿の目的である。
キーワード:日本漢詩 綿引方子 方風 詩兼友 詩兼節 詩兼夢 晩花
中文摘要:中日文化交流源远流长,至今已有两千多年的历史。其中,汉诗既是中国的古典也是日本的古典。日本汉诗作为一种特殊的文学形式已有一千三百年的历史。日本人不会汉语却能创作汉诗,这既源于日语中本身存在汉字,也得益于中日两国的文化交流。特别是在日本的江户时代,日本汉诗发展到极至,无论是汉诗的水平还是其普及程度均达到了较高的水平。大正时代以后,日本汉诗渐渐衰退,尽管如此,在当代日本仍不乏一些汉文大家,创作出了许多水平很高且具有相当文学价值的作品。
本文围绕日本现代汉诗代表作者之一绵引方子的作品展开,通过对其作品系统而全面的分析、力求总结其特征、特点。绵引方子的汉诗在形式上有绝句、律诗、古风诗、词等等,其中绝句占到了百分之八十以上。在内容上从感怀咏、志向咏、时事咏、四季咏、亲友咏五个方面进行了分析,并据此总结出方风汉诗的特征。从结论来看,方风汉诗不仅有对风雅的追求,更对社会问题表现出了极大的关心。尽管现代日本汉诗的主流为风雅类作品,然而方风汉诗中关于教育、政治等现实问题的作品有很多。这正是其出色之处,也让读者对日本现代汉诗界整体水平有了一个新的认识。
本文的主要目的在于通过研究绵引方子的汉诗,使汉诗这一古典文学形式再一次引起人们的注意,并借此论文纪念绵引方子女士。不仅如此,更是通过汉诗这一文学形式架起中日友好的桥梁,让两国在文化上有更多的共鸣,以达到互相交流、学习、促进的目的。
关键词:日本汉诗,绵引方子,方风,诗兼友,诗兼节,诗兼梦,晚花开