要旨:自販機の普及によって日本社会にも影響が及んでいると言われる。日本人の生活が自販機を持っている上、利便性や省力化などは高くなっている。しかし、自販機の普及でよい影響ばかりであろうか。そして、なぜ日本はこれほどまでに自販機が多いのか。
そこで、本稿では、近年、日本の自販機がこれほどまでに増加した理由を考察する。以下では、利用者側、自販機の設置者側と国側、三つの面から自販機の普及の原因を検討する。
1950年から今まで、自販機の台数と販売品種は増え続け、その原因としては、利用者側ではライフスタイルの変化、利便性への追求と人間関係の変化、自販機の設置者と中身商品のメーカー側では利益への追求と社会への貢献することができること、国側では規範意識を重視すること、経済環境を安定させること、被害にならないように対策を講ずることなどがある
自販機がないと生活は成立できないといえばいいすぎだが、大変不便なものになることだけは確かである。自販機は既に日本人の生活システム、社会システムに深く取り込まれ、その存在自体を否定することができなくなっている以上、改善を積み重ねていくことが取りうる唯一の道である。
また自販機は商品を販売する「お店」としてとらえる必要があり、単に商品を即物的に提供するただの器具ではなく、消費者心理を研究し、心をとらえる情緒的技術とデザイン開発がこれからは大きなテーマである。これからは、自販機が普及する原因に基づいて、日本人の意識を研究することの実現を切望している。