はじめに
日本における宗教の信者数は、文化庁「宗教年鑑」によると、神道系が約1億600万人、仏教系が約9,600万人、キリスト教系が約200万人、その他約1,100万人、合計2億1,500万人となり、日本の総人口の2倍弱の信者数になる。神道系と仏教系だけで2億人をこえる。これは、日本古来の民族信仰の基盤の上に、自然風土の中で培われた年中行事や、祭礼などを通じて、多くの日本人が七五三や初詣あるいは季節の祭りを神社で行い、江戸時代の寺請制度の影響で、葬式や盆などを仏教式で行うなど、複数の宗教にまたがって儀礼に参加しているためである。
キリスト教の信者は全人口の0.8%で、フランシスコ·ザビエルによる布教直後の一時期を除き、全人口の1%を超えたことはない。その他の宗教では、イスラム教の信者が約7万人いるといわれる。
1990年代後半から徐々に増加傾向にあるといわれるが、これは中東出身者との結婚で改宗した人々が影響していると思われる。ユダヤ教の信者はまれである。
日本では以上に述べた宗教だけではなく、近年新宗教と呼ばれるものも現れている。1951年に立正佼成会やPL教団などが中心となって、他の新宗教団体と共に新日本宗教団体連合会(略称:新宗連)が結成された。しかし新宗連は一般的に使用されてきた従来の「新興宗教」は悪いイメージがある用語として、「新宗教」という用語を使うよう各種関係団体などに働きかけてきた。現在使われている「新宗教」はここに端を発している。新宗教もしくは新興宗教近年創始された新しい宗教のことをいう。日本では、江戸時代後期以降に成立したもの、西洋では19世紀末以降のものを言う場合が多い。最近新宗教のトラブルがいろいろある。例えば、地下鉄サリン事件、ライフスペースのミイラ事件、法の華三法行による詐欺事件など、いろいろがある。どうしてそのようなトラブルを起こったか。この問題について研究してみたい。