要 旨:『雪国』の主人公の駒子と『細雪』 の主人公の雪子は自分の性格を持ち、 違う美しさが薫っている。 この文章を通して、駒子と雪子の性格を分析し、また、二人の性格を成す原因を探そうと思う。
キーワード:川端;谷崎;『雪国』;『細雪』;性格
川端康成も谷崎潤一郎も日本近代文学史上特に女性像を偏愛して、数多くの美しい女性姿を描いた作家である。それぞれ独特な芸術風格、創作手法などによって、両氏の作品は私たちに違う女性美を展示している。川端の『雪国』と谷崎の『細雪』は両氏の代表作として、それぞれ素敵な女性美を描いたのである。
駒子も雪子も自分の特別な魅力で読者の心に深い印象を残している。それぞれの身の上と成長経験は主人公の性格に大きく影響を及んでいる。貧乏な家に生まれ、芸者までになってしまう駒子は意外に生命力に富み、愛に固執する性格になるに対して、中流家庭に生まれた雪子は家の没落前後の二時期を経験して、性格の中には矛盾があり、二重構造になったのである。それと同時に、作者としての川端と谷崎の人生経験と創作時期の背景も明らかに主人公の性格を影響していたのである。主人公の身からもたまたま作者の姿が見える。即ち、主人公は作者の手で誕生する同時に、作者も自分の作った人物によって、自分自身の内面を見せ、この創作活動によって、読者の私たちとのコミュニケーシュンもできたのであろう。