【要旨】村上春樹は近年来の人気作家であり、さまざまな文学賞を受賞した上、作品が驚くほど売られている。文学性が認められ、流行作家の寵児と視される。特に『1Q84』が刊行されてから、「村上春樹」と『1Q84』は大きな話題になっている。一方、『1Q84』の時代批判性の鋭さについて多くの研究者は疑いを抱いでいる。 私は、それらの意見と反対に、『1Q84』を何度も読み返して、その中に潜んでいる批判性の存在をはっきりと感じた。
本論の目的は村上春樹の『1Q84』においての時代批判性の内容を明らかにすることである。そのため、『1Q84』の分析を通して、この小説の文学表現特性、村上春樹の生い立ちとその時代特殊な背景、それから、村上春樹自分のインタビューや国内外のメディアに発表した言論に注目しながら、『1Q84』における時代に対する鋭い批判性を論じてみようと思う。
【キーワード】『1Q84』;時代批判性;善と悪;システム;体制と個人
【摘要】村上春树是近几年来的人气作家,不仅获得了各种各样的文学奖,同时他的作品也以惊人的数量成为了畅销书。其作品的文学性得到了承认,并被视作流行作家的宠儿。特别《1Q84》出版之后,“村上春树”和他的新作《1Q84》成了人们火热讨论的话题。另一方面,在关于《1Q84》这部作品的时代批判性尖锐与否这个问题上,研究者们纷纷怀有疑问。而我的意见与他们相反,在反复阅读《1Q84》的基础上,深刻地感到潜藏在此作品中批判性的存在。
本论文的目的是使村上春树在《1Q84》里所批判的内容更为明朗。为此,我通过『1Q84』的分析,着重于这个小说的文学方面的表现特性,村上春树的成长以及那个时代的特殊的时代背景,并参考村上春树自己在接受采访以及在国内外的媒体上所发表的言论,试着论述《1Q84》这部小说对时代的尖锐的批判性。
【关键词】《1Q84》;时代批判性;善与恶;系统;体制和个人