要旨:古琴は文化性が深く、古くから地位が高い楽器とされてきた。上古から清代までは精神修養を重んじ人格を高めることが古琴の目的であったが、近代以降は演出としての演奏が主流になっている。それは琴弦も同様で、振動の発生源となる弦は特に重視され、「九徳」を兼備したものを至上として生糸弦が使われ続けてきたが、スチール弦の台頭により古琴が持つ独特な含蓄ある音色は失われた。しかし近代にボールペンが毛筆に取って代わったように、利便性をもたらしたことは大きな社会貢献だと言える。
中国文化はアジア全域に影響を及ぼしたが、また逆に様々な民族文化の影響を受けてきた。魏晋南北朝の仏教の隆盛や、西域民族、蒙古族、満州族などの支配を受けたことはすべて古琴に対して大きな衝撃をもたらしたが、その影響を受けながらも、同時に数多の文化人たちによって古琴は発展、昇華されてきた。
キーワード:古琴;琴弦 ;社会作用
摘要:从上古到清代都以注重精神修养和提高人格为目的古琴,其含义深、地位高,而近代以来却主要用作演出。琴弦也同样如此,弦由于振动发声而受到特别重视,丝弦因具备「九德」而被推崇并一直在使用。而钢弦的出现,古琴失去了其特有的含蓄。如同近代圆珠笔代替了毛笔,带来最大的社会贡献仅是便利而已。
中国文化给亚洲乃至整个地区带来了影响,不过也同样受到各民族文化的熏陶。魏晋南北朝时期盛行的佛教、西域民族、蒙古族、满洲族均给古琴带来了极大的冲击,与此同时,因很多的文人的努力也使古琴发展、升华。
关键词:古琴;琴弦;社会作用