要旨:日本人の話を聞くと、様々な前置き表現が出てくる。「恐れ入りますが」、「申し訳ありませんが」などである。前置き表現とは「本題や本論に入る前に述べることば」を指す。前置き表現は相手の気持ちに配慮し前置き表現を使うことによって、コミュニケーションを円滑に進める働きをする。相手の意見に対し、反対を述べたい場合、目的がはっきりしているが、相手の気持ちを傷つけず自分の意見を納得させるために、前置き表現を使うこと多いと考えられる。
本研究では、反対意見を述べる会話の場面における前置き表現について、日本人と中国人を対象にアンケートを実施した。反対意見を述べる場面において、どのような前置きの表現が用いられるのか、どのような働きをするのかを分析し、中国人と日本人の違いと共通点について考察した。
分析した結果、日本人は中国人よりさまざまな前置きを使っていたことがわかった。日本人の場合、対人配慮や上下関係を意識する表明といった前置きを多く使っている。それに対し、中国人は対人配慮のほか、話し方の説得性や論理性という出発点から前置きを使っていた。
キーワード:前置き表現 一部の同意 機能 反対意見 日中比較
中文摘要:与日本人经常交流就会发现,日本人习惯使用前置用语来引入话题。这是日语会话的一个特征。与人对话时,考虑对方的感受使用些前置,是人际沟通的润滑剂。提反对意见时,有时因为讲话方式不妥伤害到对方,因此也就更有必要使用前置用语。
日语中的前置用语各种各样,关于前置用语的研究也很多,但是针对陈述反对意见场合前置用语的研究比较少。拙稿采用问卷调查的方式,分别对日语和汉语母语者实施了问卷调查,调查问卷主要设置了六个会话。第一组的两个会话是对上司提反对意见,分别是一般员工和科长对经理提反对意见;第二组的两个会话是同事之间提反对意见,会话3的争议点是是否采取少数服从多数,会话4的争议点是应该采取商品1还是商品2作为核心商品;第三组的两个会话是朋友之间提反对意见,会话5的议点是班级出游去哪里玩,会话6的议点是幸福和金钱哪个更重要。本文将针对反对意见场合下,有哪些前置用语的表现,以及这些用语表现的功能,在整理问卷数据的基础上分析和讨论前置用语的功能,与此同时分析日本和汉语中前置用语使用的差异和共同点。
关键词:前置用语 中日对比 反对意见 部分同意 功能