要旨:狐に対するイメージは、中国では「狐狸精」としてのイメージが強くあまりよくないが、日本ではいまだに神の遣いとして崇拝されている。
本文は、両国の狐についての信仰、物語などから、中日両国における狐のイメージを整理し、この格差の要因をまとめた。
その結果、中国の狐は、当初の神聖や権威を次第に失い、その代わりに、密な関係を築くことで親愛や嫌悪の対象となった。一方日本の狐は歴史上常に神性をもった存在としてその立ち位置を維持してきた。そのことが日中の狐に対する印象の違いを生んだのだという結論を得た。
キーワード:狐;イメージ;神話伝承
目次
要旨
中文摘要
1 はじめに
2 中国での狐のイメージ
2.1 瑞獣としてのイメージ
2.2 狐妖としてのイメージ
3 日本での狐のイメージ
3.1 妖怪変化としてのイメージ
3.2 神の遣いとしてのイメージ
4 中日狐のイメージの異同
4.1 共通点
4.2 相違点
5 おわりに
参考文献
謝辞