要旨：『雪国』の風格は虚無感にあふれ、私の研究内容はこの小説の虚無思想である。まず、物語の背景から見ると、内容は白い雪国で発生した。雪は夢のように存在する。そして、これは小説の虚無感を打ち立てる。次に、小説中の人物から見ると、各処で虚無思想を表現する。たとえば、島村は祖先の財産を受け継いで、遊んでいる。彼の精神はとても空虚であり、虚無感にあふれている。同時に、彼は人と虚無的に付き合っている。
私の研究内容が『雪国』の概要から、物語（雪；銀河；鏡；雨；秋の虫）に対して、研究する。この後、人物（葉子；駒子；島村）に対して、研究する。私はこの小説の人物を通じて、虚無思想の形成原因を研究する。同時に私も自分の角度から思考して、この虚無思想は希望を含まれる。
この小説の作者――川端康成は廃退の家族に生まれ、成長過程の上で寂寞であった。子供時代に彼はいろいろな者の死を経験した。幼児期から川端康成はおじと母親を失い、更に姉をも失った。十五歳の時に祖父が死去し、青年の時の恋愛は克服できない影響を与えた。そのゆえ、彼は人生において、虚無感と死亡に対する恐怖感を感じることとなった。
川端康成の虚無思想を形成する原因の外部条件は、家族の廃退と成長過程上での失意及び時代の混乱である。この点について、具体的な表現は次のようである。「人生は短いものである。同時に虚無感をつつんでしまった。全部は宿命的ものである」。実際に、これは禅的思想にあふれる哲学である。川端康成の小説を読む時、人生の虚無を感じとることができるが、これは徹底的な絶望ではない。逆に、絶望の中に希望をつつみこんでいる。虚無は永遠の意味である。
キーワード：雪国；川端康成；虚無思想；伝統文化；成長過程
目次
要旨
中文摘要
1. はじめに.1
2. 作品と作家の紹介及び虚無思想.1
3.『雪国』から虚無思想を見る .1
3.1 『雪国』における物の虚無美
3.1.1雪
3.1.2火と銀河
3.1.3鏡
3.1.4雨
3.1.5秋の虫
3.2 『雪国』における人物の虚無美.3
3.2.1葉子
3.2.2駒子
3.2.3島村
4. 虚無思想の形成原因. .5
4.1外在原因―成長過程
4.2内在原因―伝統文化
5. 川端康成の虚無思想と生活の中の虚無美. .6
6. おわりに7
参考文献.8
謝辞.9
