要旨: ここ数年、日本語専攻大学生における異文化コミュニケーション能力の養成はすでに日本語教育界の中で広く認識されている。本研究は「中国の大学生における異文化コミュニケーション能力の理論的枠組み」を踏まえ、「日本語専攻大学生の異文化コミュニケーション能力に関する自評量表」を構築し、そのうえ416名の日本語専攻大学生を対象に異文化コミュニケーション能力を評定した。本研究は異文化コミュニケーション能力を「コミュニケーション能力」、「異文化能力」と分け、「コミュニケーション能力」を「言語能力」、「社会言語能力」、「談話能力」、「ストラテジー能力」と分ける。「異文化能力」は「異文化知識」、「異文化態度」、「異文化意識」、「異文化スキル」に分ける。量表の区分度検査、探索性因子分析と信頼度検査を行った結果、高低点組と高低学年における異文化コミュニケーション能力の相違性が判明できた。また各子能力と異文化コミュニケーション能力と関係することも明らかになった。本研究の分析結果は日本語専攻大学生の異文化コミュニケーション能力を向上させるために役立つことができればと望む。この研究は今後の日本語専攻大学生、さらに日本語教育の方向性を導くものになると考えられる。
キーワード:日本語専攻;異文化コミュニケーション能力;コミュニケーション能力; 異文化能力
目次
摘要
要旨
1.はじめに-1
1.1研究の背景と目的-1
1.2異文化コミュニケーション能力の概念-1
1.3研究課題-2
2.異文化コミュニケーション能力に対する先行研究-2
2.1国外における異文化コミュニケーション能力モデル-2
2.2国内における異文化コミュニケーション能力モデル-3
2.2.1文(1999):異文化コミュニケーション能力モデル-3
2.2.2鍾・樊(2013):中国の大学生における異文化コミュニケーション能力モデル-3
2.2.3呉・樊・彭(2013):中国の大学生における異文化能力モデル-4
3.日本語専攻大学生における異文化コミュニケーション能力自評量表の作成-5
4.日本語専攻大学生における異文化コミュニケーション能力に対する調査及び考察-5
4.1調査の協力者と調査の実施-6
4.2調査の結果-6
4.2.1区分度検査-6
4.2.2探索性因子分析-7
4.2.3信頼度検査-10
5.終わりに-11
参考文献-13
謝辞-14