要旨
日本語では、「ちょっと」という副詞がさまざまな場面で使用されている。筆者は日本に留学している間、「ちょっと」が頻繁に日本人のコミュニケーションに使用されている点に気づいた。知らずうちに、自分も「ちょっと」を愛用するようになった。言葉の窮屈に困った際、「それはちょっとね」、「うん、ちょっと」を口に出すことが多かった。しかし、未だに日本語を熟練に使用することが出来ない私には、常に「ちょっと」を使い間違えたのではないかと悩んでいた。そこで、コミュニケーションが潤滑に進行できるように、「ちょっと」の意味と「ちょっと」を生み出す日本文化を考察したい。
キーワード:ちょっと 多義性 曖昧 ポライトネス 配慮
目次
要旨
中文摘要
1. はじめに-1
2. 先行研究-2
2.1 「ちょっと」の多義性-2
2.2 「ちょっと」の機能-2
3.曖昧な「ちょっと」-5
3.1 思いやりの「ちょっと」-5
3.2 敬遠の「ちょっと」-6
3.3 ポライトネス理論から見る「ちょっと」の両面性-7
4.「ちょっと」の愛用から見る日本人の習慣や文化-9
4.1 日本人の言語習慣-9
4.2 日本人が談話における聞き手への配慮文化-10
5.終わりに-11
参考文献-12