要旨
井上靖は、戦後の日本における文壇に人気があるベテラン作家である。最も力強い代表作--『天平の甍』で、井上は史実を通じて、それぞれに異なる運命の孤独な内面を描写した。その中で流れている孤独感と作者人生観とも深い繋がりがある。だから、本稿は、歴史小説『天平の甍』を取り上げ、本文の中で主な筋や人物像を研究対象として、さらに井上靖の人生体験と結び付けて、井上靖の孤独感を深く探ってみたい。
キーワード: 孤独感,無常観,運命,幼少年時代
目次
要旨
中文摘要
1. はじめに 1
1.1 先行研究1
1.1.1 井上靖について 1
1.1.2 天平の甍について 2
1.2 研究の目的と方法2
2. 全盛期の作品に見る「強靭な孤独者」2
2. 1 作風とテーマの転換 2
2. 2 『天平の甍』における強靭な孤独者 3
2. 2.1 鑑真3
2. 2.2 業行4
3.『天平の甍』と無常観 4
4.井上靖における孤独体験5
4. 1 祖母と過ごした幼少年時代 5
4. 2 叔母と祖母の死 6
5.おわりに6
注釈 8
参考文献 9