概要:大庭みな子の作品は無国籍的な魅力を持っている。特に1968年に大庭みな子のデビュー作である「三匹の蟹」は、大庭がアメリカ社会に対していかに深い洞察力を持っていたかを如実に物語っている。一つの時代にセンセーションを巻き起こし、現代日本文学の新しい方向を示していると讃えられている「三匹の蟹」はついに「群像」に発表された。それに、群像新人賞と芥川賞を同時に受けた。この作品は自我意識の目覚めが焦点である。女性主義、解放主義などは作品の中によく出てくる。本論文は主人公の言葉、行為、そして周囲の人物と環境の表現を通し、「三匹の蟹」における蟹の象徴性を探求してみたいと思う。
目次
概要
中文摘要
序 章 研究目的と先行研究-1
第一節 研究目的-1
第二節先行研究-1
第一章 「三匹の蟹」について-2
第一節 作者について-2
第二節 「三匹の蟹」の時代背景-3
第三節 「三匹の蟹」の概要-4
第二章 「三匹の蟹」における蟹-5
第一節 蟹のそれぞれの表現-5
第二節 主人公と蟹の関係-5
第三章 蟹の象徴性-6
第一節 主人公の反抗意識-6
第二節 作品における自我反映-8
終 章 結論と今後の展開-9
参考文献-11