侘びと寂びの美意識を通して日本人の自然美意識について
要旨: 「侘び」と「寂び」は戦国の世が終わり、心の落ち着きを取り戻した時代に、力を得た町人が持った美意識である。「侘び」は、茶道の中で生まれた美意識で、おごらず質素な中に、豊かさと静かな心を秘めたものである。千利休をはじめとする茶道の宗匠たちは、一輪の野の花や日常雑器の中に美を見出した。「寂び」は松尾芭蕉を中心とした俳句の世界で言われた美意識で、静かな孤高の境地を言う。「侘び」も「寂び」も禅の悟りの境地をバックボーンに持っている。日本では「侘び」と「寂び」がぞれぞれのものを指す場合が多いようであるが、「侘び」と「寂び」は重なり合う関係だと思う。そして、「侘び」と「寂び」は日本人の美意識を表す場合、よりよく代表的な言葉だと思う。
本稿は「はじめに」、「先行研究」、「本論」、「おわりに」という四つの部分から構成される。「はじめに」では、本研究の目的と方法などを説明する。「先行研究」において、本研究について、国内外で研究状況を述べる。「本論」では、まず、「侘び」と「寂び」の提出、表現を明らかにする。そして、「侘び」と「寂び」の関係を述べた。最後、日本人の自然美意識の具体的な表現を述べ、結論を出す。そして、今後の研究方向を明らかにする。
キーワード:侘び 寂び 日本人 美意識
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
2.先行研究-1
3. 「侘び」という概念の起源、成熟とその表現-2
3.1 「侘び」という概念の起源、成熟-2
3.2 「侘び」の具体的な表現-3
4. 「寂び」という概念の起源、成熟とその表現-5
4.1 「寂び」という概念の起源、成熟-5
4.2 「寂び」の具体的な表現-6
5. 「侘び」と「寂び」の関係-7
6.日本人の自然美意識とそれにおける「侘び」と「寂び」の表現-8
7. おわりに-10
謝辞-11
参考文献:-12