要旨
夏目漱石が『草枕』で王維の詩をすべての現実を忘れさせる良薬にたとえ、王維の山水田園詩のような恬淡で悠然とした詩境を追求することから、王維が漱石にとって深い意味を持ち、大きな影響を与えたことは明白である。
本文は、たくさんの歴史文献と論文資料の上に、夏目漱石の学習背景と彼の漢詩への巨大な影響と彼が人生の各段階で創作した漢詩の特徴を調べる。王維の学習背景とその響きと四種類の詩、特に山水田園詩の特徴を元に、表現形式や思想内容から、ふたりの詩を比較し、漱石が王維の思想、表現から吸収したものと彼の漢詩で表現しようとした境地を探求する、すなわち、白雲郷。
キーワード:王維;山水田園詩;夏目漱石;白雲郷
目次
要旨
中文摘要
序文6
第一章 夏目漱石の漢詩の背景と特徴6
第一節夏目漱石の学習背景とその影響
第二節夏目漱石の漢詩の特徴
まとめ
第二章 王維の詩の背景と特徴.12
第一節王維の詩の学習背景とその影響
第二節王維の詩の特徴
まとめ
第三章 夏目漱石における王維の影響.16
第一節 王維の思想・表現から吸収したもの
第二節 漱石の漢詩で表現しようとした境地
結語.20
参考文献.20
謝辞