要旨
本文は枯山水と蘇州庭園の石に対する分析を通じて各背景にある自然観をについて考察した。
蘇州園林では石と様々な材料を組み合わせて宇宙を「縮図的」に表現しているのに対し、枯山水はこれをほとんど石のみで「抽象的」に表現している。つまり、蘇州園林は宇宙の「形而下的表現」で、枯山水は「形而上的表現」である。
中日両国人とも、自然を愛し、畏敬し、共生することを尊びながら「自然との和」をめざしてはいるが、その自然観には「実際的な協調」と「精神的な融和」という差異が存在し、その違いが造園思想として表れたのだろう。
キーワード:枯山水;蘇州園林;石組;自然観
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
2.構造-2
2.1蘇州園林
2.2枯山水
3.石-3
3.1蘇州園林
3.1.1配置
3.1.2石材造形
3.1.3表現内容
3.2枯山水
3.2.1配置
3.2.2石材造形
3.2.3表現内容
3.3中日両庭における石の役割
3.3.1蘇州園林
3.3.2枯山水
4.石に見る両庭の自然観-8
5.終わりに-9
参考文献-10
謝辞-11