要旨:曖昧性は日本語の重要な特色の一つであり、また日本文化の表れでもある。日本語の曖昧表現は主に三種類に分けられる。1.曖昧な語義を持つ語による表現。2.文の省略による表現。3.婉曲な表現。 曖昧語発生の原因は四つに考えられる。1.閉鎖の自然環境が原因で、このような環境の中で生活している人々の間に言葉によらない心の相互理解が生じたからである。2.言葉のやりとりの中で相手へ過剰配慮で、自己主張が弱いという日本人の言語心理によるものである。3.「内と外を差別して扱う」という集団意識によって「以心伝心」の表現が一層盛んになったからである。4.「和」の思想の影響によるものである。
キーワード:曖昧性 曖昧表現 原因 文化 心理
目次
要旨
中文摘要
1 はじめに-3
2 実生活の中の日本語の曖昧表現-4
2.1相づちの応用-4
2.2 婉曲に拒絶する表現-4
2.3 曖昧な言葉の使用-5
2.4省略語の運用-5
2.5断定を避ける文末表現-6
2.6 挨拶の類-6
2.7 多義語の類-7
3 日本語の曖昧表現の原因と文化背景-7
3.1 自然条件の関係-7
3.2 単一の民族、単一の言葉-7
3.3 「以心伝心」の交流方式-8
3.4 直接的に「いいえ」を話さない民族-8
3.5 「和をもって尊重する」性格-9
4 曖昧表現に対する態度について-9
5 おわりに-10
参考文献-11