要旨:日本という島国は中国の一衣帯水の近隣として、中国とのつながりを古代から現在までずっと貫いてきている。そして、中国としっかりとした絆を持っている日本、特に日本人の国民性について掘り下げて研究してみようと思ったが、いつも取り留めのない気がしている。特に、日本は第二次世界大戦が終わった後に失敗に負われ、至る所で傷跡だらけだったが、一体どのようにして世界で五本の指に入るまでの大国に急成長できたのか、その裏には一体どんな国民性があり、日本民族を支えてきたのか、そしてどのようにして、いかなる困難を乗り超え、激しい国際競争の中で揺れずに聳え立つことができたのだろうか。
これらを理解するために日本人の国民性を研究することで、日本人の言動、価値観、考え方などを知ることができる。また、日常生活で日本人とのコミュニケーションを図ることでも客観的で理性的に日本人の国民性が把握できる。さらに、我が国が日本のまるで神話のような回復のコツを吸収することができ、日本の優れた精神エレメントを吸収し、生かしていくこともできる。
本論文には主に日本人の国民性の中ではっきりとした五つの特徴、「矛盾性、集団主義、権威主義、死生観、勤勉性」について研究を行う。形成要因に関しては、本論文の中で歴史的な面から生産方式、政治制度や文化などに重点を置いて研究する。第一章は国民性の定義と日本人の主な国民性及びその表現を紹介する。第二章では、日本人の矛盾性についての形成要因を分析する。日本語の語源の多元性や文化の多元性、迅速に経済大国に発展した割には短い文明史であることなど、いつのまにか日本人の矛盾な国民性が形成されてきた。第三章は歴史上、日本農業の稲作生産様式、地縁の凝集力、及び江戸時代に日本に根付いた儒教の「忠」は日本人の集団主義の形成に役割を果たしてきた。第四章は日本で長い間、封建階級制度と明治維新で深化された天皇への絶対崇拝が権威主義の国民性を生み出したことを分析する。第五章は日本の武士道が唱えた「死の覚悟」と仏教の一種である禅宗の影響が日本人の独特な死生観につながっていることについて述べる。第六章では歴史上で日本は元々農耕民族の国家資質、儒教文化の「勤勉」、戦後経済回復のための勤勉に対する過度な要求など、日本人の勤勉な国民性が形成された要因について説明する。
しかしながら、言うまでもなく、日本人の国民性は以上に述べた五つだけに留まらず、力を尽くしてもっと様々な角度から深く研究すべきだと思われる。私自身が日本文化に対する知識不足により、日本社会に滲入して国民性を研究する実践機会があまりないので、論文中の分析は浅薄なところがまだまだあると思われる。しかし、これからも引き続き日本人の魂の中に奥深く潜んだほかの国民性を研究していくつもりである。
キーワード:歴史的原因 矛盾性 集団主義 死生観 権威主義と勤勉性
目次
中文摘要
要旨
はじめに1
1. 国民性に関しての紹介1
1.1 国民性とは何か1
1.2 日本人の主な国民性及びその表現2
1.2.1国民性の矛盾性2
1.2.2日本人の集団主義3
1.2.3日本人の権威主義4
1.2.4日本人の死生観5
1.2.5日本人の勤勉性6
2. 歴史における日本人の国民性格の矛盾性の形成要因7
2.1 日本語語源の多元性7
2.2 文化の多元性7
2.3 現代経済強国と短い文明歴史8
3. 歴史における日本人の集団主義の形成要因8
3.1 稲作の生産様式の根差し8
3.2 地域の凝集力9
3.3 江戸時代に日本化された儒教の「忠」9
4.歴史における日本人の権威主義の形成要因9
4.1 長期的な封建階級制度から生まれた権威主義10
4.2 明治維新時期に深化された天皇の権威への崇拝10
5. 歴史における日本人の死生観の形成要因10
5.1 武士道精神の「死の覚悟」10
5.2 仏教の一種、禅宗の影響11
6. 歴史における日本人の勤勉性の形成要因12
6.1 日本の元々の国家性質12
6.2 中国から伝播してきた儒教文化の影響12
6.3 戦後経済高度成長の産物12
おわりに13
参考文献14
謝辞15