要旨:『白夜行』は作家東野圭吾の最も影響力のある大作の一つと言われている。これはある悲劇によって運命がしっかりと繋がった2人の子どもが、始終夜の道を歩いて、一生懸命光を探すという物語である。二人は世の中に生き残るために、殺人までし、爱のために罪も犯した。一連の罪の中に抑えられた爱がはっきりと現れた。爱と罪の中にもがいた二人は実際に人間性の中に迷い続け、魂の中にもがき続くことだ。本論文は二人の主人公の爱と罪を深く分析し、彼らの人間性を分析する上で、日本社会と人間性そのものについて深く考えたいと思う。
この小説は推理小説だが、実は愛と罪の結んだ産物でもあった。他の推理小説と比べると、これが一番目立つ特徴で、それによって、中国で100万冊以上も売られ、人々の心を奪われた原因になったわけだ。小説の半分を読み進むと、犯人の元の身分がばれることになるが、面白さが失われないのは東野圭吾の小説の独特な魅力だった。本文がこの魅力を軸にして論じてきたが、それを通して、東野圭吾のすべての作品を鑑賞することに、作者の本当の意図を理解できる。
本文は三つの部分に分けられている。第一章には作者の生涯と『白夜行』の創作意図を通して、作品に表れた愛と罪の深い意味を分析した。第二章には愛と罪の部分で、女性主人公の雪穂と男性主人公亮司が表面から見れば関係のない二人だが、実は愛の線で二人がしっかりと繋がっていると同時に罪って何か、罪の一般論と作品の中に描かれた特別の罪を表しているが、作品の罪について深く理解させられた。第三章は愛と罪から生まれた人間性についての研究である。今の世界も愛と罪からなりたち、人間性はそこから発生するもので、これを研究する上で、社会と人間性そのものについての深く追求したいと思っている。
キーワード：愛 罪 人間性 太陽 救い
目次
中文摘要
要旨
はじめに1
1.推理小説家としての東野圭吾1
1.1作品から見る東野圭吾1
1.2推理小説にある魅力と人間性2
1.3『白夜行』の創作2
2.愛と罪について3
2.1二人の愛について3
2.1.1作品における太陽の意味3
2.1.2亮司に対する愛の表現4
2.1.3雪穂を中心にする亮司の愛5
2.2罪について6
2.2.1作品におけるいくつかの犯罪6
2.2.2幼いごろからの思い出による犯罪7
2.2.3二人は一緒にならない理由8
3.愛と罪における人間性9
3.1環境に影響された冷たい愛9
3.2詰められない愛と罪9
おわりに10
参考文献11
謝辞12
