要旨:本論は日本有名な怪奇小説『雨月物語』から出た人物に歴史と文化環境など側面でその人間性を分析し、江戸時代の国民の思想をより正確に認識することを目標する。弁証的な態度で人間性を検討するのも近代文学に対して模範とされ、後世の小説家泉鏡花にも影響した。上田秋成は江戸時代の数少ない自己意識を持つ学者として、彼の書かれた『雨月物語』は江戸時代の客観的な歴史と人間の思想を指摘するには貴重な文学価値とされていた。
『雨月物語』は九つの物語からなる。それぞれの主旨と背景があって、見たままの江戸時代を変化して物語を作った。上田秋成は独特な視線で人間性の失いとその歪むわけを見抜けた。違う角度から自分が社会問題と人間の思想への見解を間接に言い出した。中には、権利者の人間性の変化への描写、封建制度の下で女性地位と待遇への批判、そして、様々階級の人を生き生きと描いた。
本論は三つの部分に分けて、人間性の抑圧と解放、時代の局限性と人間性への考えからなっている。翻案小説にして、『雨月物語』には中国元素は沢山あるが、それを日本化した原因は正しく日本特有の文化と思想である。つまり、日本特有の人間性である。『雨月物語』は日中文化を巧みに組み合わせた素晴らしい小説に違いない。
したがって、本論は前の先行研究のような比較な研究方法を使用していない。作品の日本元素を抜き出して検討を行った。即ち人間性への研究。人間性への解釈をより正しく伝えるため、秋成の思想をより詳しく理解しなくてはならない。人間性の矛盾さと複雑さは江戸時代では人間の心の騒ぎと社会の風紀を鮮明に反映した。その朦朧な思想は秋成自身の情況も反映した。封建時代に大環境の圧迫で自我は人間性と共に失った。秋成の思想は完全に時代を離れていなくても、当時の社会では近代のインテリの先駆者であるに違いない。
キーワード：人間性 江戸時代 上田秋成 自己意識 執念
目次
要旨
中文摘要
はじめに1
1.作品と作者について2
1.1作品について2
1.2作者について2
2.『雨月物語』における人間性への検討3
2.1人間性の抑圧と解放3
2.1.1「白峯」から見た崇徳院の人間性の変化4
2.1.2「吉备津之釜」から見た女性の抑圧と解放6
2.1.3「青頭巾」から見た人の本性と理性との闘い7
2.2人間性の原始性と時代の限界性 8
2.2.1「蛇性の婬」に真女児と他の人物との人間性の比較8
2.2.2「浅茅が宿」中の妻と夫との約束9
2.2.3「菊花の約」の男同士の約束10
2.3人間性への考え 11
2.3.1「貧福論」から見た金と人間性12
2.3.2「夢応の鯉魚」からみた人間が自由への憧れ13
2.3.3「仏法僧」に現れた人間性の矛盾さ14
3.『雨月物語』における人間性の共通点と相違点16
3.1共通点 16
3.2相違点17
おわりに17
参考文献19
謝辞20
