要旨:『竹取物語』は日本現存する最古の物語である。「物語の祖」とされている。今までも、世間に知れ渡っている。また紫式部も『源氏物語』第17巻「絵合わせの帖」の中で、『竹取物語』のことを「物語の出で来初めの祖なる竹取の翁」と述べている。『竹取物語』の成立年、作者とも明らかになっていない、ほぼ九世紀から十世紀半ばまでには成立したと考えられて、仮名によって書かれた最初期の物語の一つでもある。原本は現存しない、現在伝わっているのは長い時間が経って何人もの人々によってまとめられたのである。
本稿は『竹取物語』の政治批判性の研究を通じて作者が藤原氏政治を批判する原因を分析し、三つの部分からなっている。第一部分は『竹取物語』の源と粗筋を紹介する。第二部分は『竹取物語』中のキャスト及びそのモデルまたプロット場所の設定から分析し、『竹取物語』の政治色彩を暴露する。第三部分は時代背景から出発し、『竹取物語』中の政治批判の表現を深刻に分析し、作者の心理を研究し、作者は平安時代政治についての考え及びその原因を考察している。
平安時代は摂関政治の頂点で、母系制も残っていた。当時の社会背景及び作者自分自身の階級から見て、作者が藤原氏を批判する原因は摂関政治の影響で作者が危機感を感じ、また自分自身の憧れが実現できないことである。
キーワード:竹取物語 摂関政治 政治批判性 平安時代 藤原氏
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1 『竹取物語』についての紹介-2
1.1 物語のみなもと-2
1.2 物語のあらすじ-2
2 『竹取物語』の政治色彩-3
2.1 名つける人斎部秋田-3
2.2 求婚者車持皇子と藤原不比等-3
2.3 帝のイメージ-4
2.4 月の都-6
3 『竹取物語』政治批判性の原因と表現-6
3.1 時代背景-7
3.1.1 政治背景-7
3.1.2 文化背景-7
3.2 政治批判の表現-8
3.3 政治批判の原因-8
終わりに-9
参考文献-10
謝 辞-11