要旨: 大正期後半、私小説は文壇で統治の地位を占め、日本文学の核心になった。日本現代文学の発展及び中国の五・四運動の時期の文学創作に大きな影響を与えた。
1919年、佐藤春夫が発表した作品『田園の憂鬱』は文壇に大きな影響を与え、「大正文学の代表作の一つである」と誉められた。1921年、郁達夫は短編小説『沈淪』を発表した。驚異的な取材や大胆な描写により、広い社会的な影響を引き起こし、中国近代文学の紀念碑だと言われた。日本で留学中、郁達夫は日本文学から深く影響された。本人が文学上の師として仰いだのは佐藤春夫であると言った。
本文では佐藤春夫の『田園の憂鬱』と郁達夫の『沈淪』を研究対象として選んで、ジャンル、主人公のイメージ、作品内容また表す感情からこの二つの作品を比較分析しようと思っている。
二つの小説では私小説という創作手法を使い、主観的な色彩をつけた。作者本人の生活体験や感情を題材として主人公の憂鬱な内心生活を表した。二つの小説には多くの共通点があるが、表現手法から分析すると大きな違いが存在している。
『田園の憂鬱』より『沈淪』に書かれた景色に明るい色彩をつけた。そのうえ、青年が性への欲望を明らかにした。
まとめていうと、郁達夫は日本文化と佐藤春夫から大きな影響を受けた。しかし、二人が生まれた時代、個人の体験および民族伝統文化の違いのため、二つの作品に反映された思想や主題も異なる。
キーワード:私小説 佐藤春夫 郁達夫 憂鬱
目次
要旨
中文摘要
はじめに
1.作家と作品の紹介1
1.1佐藤春夫と『田園の憂鬱』について1
1.2郁達夫と『沈淪』について2
2.共通点‥2
2.1私小説2
2.2表現手法3
2.3主人公イメージ4
3.相違点5
3.1表現手法5
3.2主題7
3.3相違点の原因9
おわりに9
参 考 文 献11
謝 辞12